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WEEKEND LOG LIFE

 14.床張り

 一階部分

 送られてきた仕様書では、厚さ3p巾10pの板を大引きの上に張り渡していくというのが床の張り方であった。しかし、夏ならともかく、二回の冬を過ごした経験からいうと、床板一枚だけでは冬場の寒さがこたえるような気がした。どうしたものかと相談すると、Mさんが自分のログを作ったとき、余った断熱材がかなり残っているというので、遠慮なく使わせてもらうことにした。

キットにはない作業なので自分で段取りを考えた。梱包材の残りがたくさんあったので、あれを使おうと思った。まず、布基礎と独立基礎の間に、大引きと直角に数本の板を渡し、その上に、今度は大引きと平行に15p間隔で、同じ板を簀の子状に張っていった。長さはいろいろだったが、途中でつなげばいいので半端な板から使っていった。

その上に、ロール状に巻かれているグラスウールを敷き詰めていった。グラスウールの重さなど、ないに等しいようなものだから、重さの心配はしないでいい。要は、下に落ちなければいいのだ。大引きと大引きの間を断熱材で隙間なく埋めた上で、床板を張りにかかった。

まず、ログから5oほど離した位置に最初の床板を置いた。床板も野地板と同じように凹部と凸部を噛み合わせるように加工されている。凹部の方をログに寄せ、凸部の上から、フロアネイルで、大引きに止めた。フロアネイルは、スクリュー釘なので、床の振動を受けても浮き上がってきたりしないのだそうだ。そうして固定した1枚目の凸部に2枚目の凹部を合わせ、金槌で叩きながらはめ込んでは釘を打っていく。

釘は凸部の出っ張りに打っていくので、次に被さる板の下に隠れて見えなくなる仕掛けだ。数枚はめ込むと、一枚板を張ったように見える。この調子で、反対側のログ近くまで張っていった。残り、あと3〜4枚というところで釘打ちをやめた。このまま打っていくと、最後の板をはめることはできなくなるからだ。

残りの寸法を測ると、あと4枚で完全に隙間なく張れることがわかった。一枚の床板の凸部を鋸で切り落とし、それを最後の一枚にして、4枚の板を先にはめ込んでしまった。そうして、釘で止められている床板の凸部に、4枚つなぎの床板の凹部をはめ込み一度に叩き入れた。なにぶん長い板なので、一息には入らなかったが、端の方から金槌で叩いていくと、次第に板は、はまっていった。

最後に上からとんと足で踏むと、床板は全体がもとから一枚の板だったように隙間なく組み合わさった。最後の一枚だけは、床板の上から大引きに釘で止めた。仕上げにログの一番下のところに巾木を打った。床板に打った釘は、巾木の下に隠れてしまうので、床の張り方を知らない人が見たら、どうやって張ったのか分からないくらいきれいに仕上がった。

 ロフト部分

ロフトの床は、下から見れば、1階の天井板になる。そのため、送られてきた部材の中に、床板と同サイズの野地板が床板と同じ数だけ入っていた。しかし、屋根裏は座るのがやっとというだけの高さしかない。それに床板の裏側もきれいに仕上げられていて、特に見映えが悪いということもなかった。できれば、少しでも二階の床は下げたいところだ。そんなわけで、ロフトの分の天井板は張るのをやめた。

二階の床を支えるのは、主に三本の床梁だが、ログと梁に床板の両端を受けるための巾木を打った。あとは、二階に上って、一階の床と同じ作業を繰り返せばいい。そう思ったのだが、足場は三本の梁だけだし、背を伸ばすと頭を天井にぶつけるしで、屋根裏での作業は困難を極めた。腰を伸ばせないのが何よりつらい。半分ほど床板を張り終えて、初めて楽になった。腰が痛くなったときは、床に寝ころべばいい。これは気持ちがよかった。

ロフトの床も、最後のところは、3本ほどの床板をまとめて、一度に噛み合わせた。長さが半分しかないから、一階の床より楽だった。棟木の真下に通っている梁は、二本のログを組み合わせた形でロフトの手摺りになっている。棟木も、母屋もそうだが、二本のログを重ねたところは、それぞれ二箇所をボルトとナットで緊結した。手摺りに座堀したボルトが見えているのも興醒めである。それを隠すために手摺りの上にあて木を、これは釘を使いたくなかったので、木工用ボンドで貼った。床の周りに巾木を打ったらロフトの完成である。

小さい頃、といっても外国の物語や小説を読むようになってからのことだが、屋根裏部屋というものに憧れていた。残念ながら自分の家を建てたときにはただの二階建てで、屋根裏部屋を作ることはできなかった。それがやっとかなったわけだ。ロフトの床に腹這いになると、目の高さに窓があり、川縁の欅の葉が風に揺れるのがよく見える。決めた。ここを寝室にしよう。


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