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WEEKEND LOG LIFE

 22.再訪

前にここに来たのはいつ頃だったろうか。とにかく、ずいぶん来ていなかった。花粉症がひどくなっていちばんいい季節に来られなくなったことと、車を4WD のレガシーから今の147に代えたことが大きい。車高が低い今の車では、小屋のあるところまでの縄手道を底をこすらずに登ってくることが難しいからだ。それはコペンでも同じ事だ。

月に一度はコペン仲間の集まりに顔を出しているし、それ以外の休日も、あちこちと出歩くことが多くなった。それも、一つところに足繁く通わなくなった原因の一つだろう。ところが、そのコペン仲間の集まりで、このサイトを見たという話題が出て、あの山小屋はどこにあるのか、できたらベランダで珈琲でも飲んでみたい、という話になった。山の中の峠道を少し入った場所にある。口で説明してもなかなか分かりづらいものがある。

MCC八月の例会は、HCCの香肌峡バーベキュー大会に合流ということになっていた。道の駅飯高で待ち合わせ、香肌峡温泉にある会場までムカデ走行する途中、宮川に架かる橋を渡った。行き先はそこを右折だが、左折すれば、湯谷峠を越えて山小屋のある集落までは少しの距離だ。帰りに寄っていこうかと思いついた。

バーベキュー大会も川遊びも終わり、ホテルの温泉でゆっくり汗を流した後、のたりさんに声をかけてみた。行きましょうという返事。モスグリーンのコペン二台、大阪方面に帰る集団とは反対方向に走り出した。今回は妻が麦酒を飲む番だったので、帰りのステアリングを握った。湯谷峠を走るのも久しぶりだ。急カーブの連続する道をコペンで走るのは愉しい。後で、のたりさんが「前を緑のコペンが走っているのを見てると自分の車が走ってるのを見ているような気がしてうれしくなるね」と言っていた。

バス停の横が少し広くなっていた。そこに二台の車を止めて、川を渡った。堰の上にはいつものように板が一枚渡してあって橋代わりをつとめている。車で行くと、もう少し下流に架かる橋を通るのだが、道の様子が分からないので、まずは歩いて小屋まで行き、帰りに車で通れるかどうか見てくるつもり。猪や鹿が山を下りて田畑を荒らすのか、渓流に架かる小さな橋は板戸で塞がれていた。横から跨ぎこして山道に入った。

小屋はどうやら建っていた。しかし、しばらくこないうちにずいぶん荒れていた。特に雨が直接あたる部分の傷みは激しい。鍵を持ってきてなかったので、窓から中をのぞくと、部屋の中にも黴がきているようだ。もし、来てもらうなら大掃除が必要になるだろう。家というのは、人が住んでいないと荒れる。時々風を通してやれば、ここまで荒れはしないのだ。ログハウスを建てることを思いついたのは、アラスカに丸太小屋を建てた人の本を読んだことから始まる。アラスカでは、湿気でやられる話は書いてなかった。高温多湿の日本でも最多雨地域に建てたのだから仕方がないが。

ベランダに降り積もった落ち葉を掃き、ログの沈下で外れたドアの化粧枠を嵌め込み、小屋を離れた。山道を上の方まで歩いていったのたりさんは、渓流沿いに延びるパイプがどこまで続いているのか確かめてきた。かなり上の方に湧き水が出るところがある。誰かがそこから水を引いているようだ。珈琲くらい湧かして淹れることはできそうだ。秋になったら、みんなで集まるのも悪くない。石で炉は切ってある。簡単なバーベキューなら充分可能だ。

帰り道、車の進入路を確かめてみた。山仕事に入る人たちが時々直すのだろう。凸凹も均されて、これならコペンでも来られるだろうということになった。いよいよ大掃除をしなくてはなるまい。(2007年8月19日)

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