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ENGLAND
ホテルの前の牧草地で鹿を見つけた

 2006/8/22 CHARLECOT

  英国到着

慣れがさせるのか、特に不審に思わず係員の指示に従って列の後ろに並んでいたら、パリ行きエールフランスに乗せられそうになった。手荷物にエールフランスのタグを付けられるに及んで、あわててロンドン行きのチェックインカウンターに回ったのだが、他の乗客はとっくにチェックインをすませていて、横並びの席はなかった。夫婦別席を覚悟したが、搭乗前に空席ができ、何とか並んで行けることになった。最初から波乱含みの旅のはじまりである。

何度か飛行機には乗ったが、日航は今回が初めてである。乗務員もほとんどが日本人で、これから海外に行くのだという緊張感がない。行き先も英国だし、下手な英語でも何とかなるということもある。前席シートの下部には足置きが、背に液晶モニタが装着されるという親切な設計。何本もあるビデオは好きな時間に見られるし、脱着自在のリモコンを使ってゲームもできる。さすがJALと気をよくした。

味に期待はできない機内食も、往復便のメニューまで用意されているとなると少し気分がちがうだろう。ちなみに最初のメニューは、白身魚のフライ、カレー風味ソースか鶏の柚子胡椒焼きにポテトサラダ、スモークサーモン添え。あと、鯖の塩焼きにデザートがシトロンチョコレートムースといったところだ。到着前にはペンネパスタアンチョビトマトソースに牛蒡サラダが出る。なんだか期待できそうではないか。

眠りたいときに眠り、目が覚めたら、自分の好きなビデオが見られるというのは、食事をのぞけば時間が自由に使えるという点、同じエコノミーでもずいぶんちがう。さっそくゲームにはまっている妻の横で、映画を楽しんだ。倒産寸前の靴工場がドッラグクィーン向けのブーツで盛り返すというストーリーの『キンキーブーツ』が面白かった。『MIV』にはがっかりさせられた。いくら何でもリアリティーがなさ過ぎる。嘘はいいが、嘘臭くては見ていられない。

ヒースロー空港に着いたのが現地時刻の午後4時半。昼前に乗って12時間のフライトだから時差は8時間。いつもより眠れたせいか元気なものだ。未遂に終わったテロ事件の後で覚悟していた税関チェックだが、前に並んでいた東南アジア系のグループに比べると、実に簡単な対応で拍子抜けした。早く済むにこしたことはないのだが、国際的なテロ事件があっても、日本人は関係ないと見られているのだろうか。自分の意見を持たない日本人という既成事実が定着しているようで、なんとなく面白くない。

空港からバスに乗り、この日の宿泊地であるストラトフォード・アポン・エイヴォンに向かう。ヒースローはロンドンの西の外れにある。少し走ると、英国独特のなだらかな丘陵地が窓外にひろがり、のんびりと草をはむ牛や羊の群れが目の前に現れた。どこまで行ってもえんえんと続く牧草地。緑の中に映える白い羊や黒い綿羊。道路標識をのぞけば、目に入る文字がない。広告の看板も一切ない。このなんにもないところがイギリスのいいところだ。窓の外を眺めていて気持ちがやすらぐにはわけがあるのだ。

途中何度か雨に降られた。イギリスの夏は7月にはじまり8月に終わるという。空気にはたしかに秋の気配が感じられる。時折ぱらぱらと降ってくる雨も夕立と言うよりは時雨のようだ。この日のホテルはストラトフォード・アポン・エイヴォンにほど近いシャルコットという村にある。イギリス人の田舎好きは有名だ。若いうちは都会で暮らしても歳をとれば田舎に引っ込むというのが理想の人生。たまに少し早い田舎暮らしを味わうには、田舎のホテルは最適だろう。

フロントのある棟と宿泊棟は別棟になっていた。夕食は機内で済ませているので、むしおさえにサンドイッチが出た。事前に作ってあったのか表面が乾いてパサパサのサンドイッチに早くもイギリス料理の洗礼を浴びた気がした。バーカウンターにはビールを注ぐ取っ手が並んでいたが、肝心の人がいない。紅茶でパンを流し込んで部屋に引き取った。飛行機の後のバスはさすがに疲れた。日はまだすっかり暮れきってはいないが、風呂に入って寝ることにした。

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