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SCANDINAVIA

 2005/8/12 ホテル スカンデック

 HOTEL SCANDIC

関西空港を出たのが午前11時。9時間ちょっと飛んでヘルシンキ着が15時20分だから夏時間の今、日本との時差はマイナス6時間。パスポートの後ろの方にフィンランドのスタンプが押される。あと3か国入国するがEUになってから、パスポートチェックがないので、入国のスタンプはフィンランドだけになる。なんだか少し損をした気分だ。

ヘルシンキ空港を5時10分に離陸してスウェーデンのストックホルム空港に向かう。窓の外は雨。天井に取り付けられた液晶パネルで離陸風景を見ることができる。ヘルシンキからストックホルムまでの飛行時間は45分間。飛んだと思ったらすぐ下りてくるわけだ。機内に入る前に手にとったヘラルド・トリビューンを読む。セーヌ河畔を真似て東京都内に作られた人工的なビーチが紹介されていた。いまだにコピー癖が抜けないらしい。恥ずかしい話だ。

空港から車で30分ほど走りホテルに着いた。スカンディック・スター、303号室。居間と寝室の二部屋に分かれていて、バスタブの他にシャワー室がついている。アイロン台やズボン・プレッサーつきというのは親切だ。窓からは公園が見える。四辺を煉瓦造りの建物で囲まれた入り隅の空間になっている。小さな噴水とベンチがあり、時折人が来ては休んでいく。どうやら、そういう生活のリズムがあるらしい。落ち着いた公園があれば、一休みしたくなるのは人情だ。

いつもならベンチに座ってゆっくり暮れていく日でも眺めるのだが、少し疲れた。早めに風呂に浸かり、グラス片手に上から見下ろしている。手荷物にしのばせてきたバーボンの小瓶を開け、機内サービスのエビアンで割る。ソファに腰かけ、スタンドの灯りの下で飲んでいると、ここがホテルであることを忘れてしまいそうだ。

きっちり、午前1時に目が覚めた。ストックホルムでまた1時間、時計の針を戻したから日本では朝の8時になる。居間のソファに座りバーボンをちびちび飲む。静かだ。高速道路や駅が近くにあるはずなのに、まったく物音というものがない。ノートを取り出して心覚えを書く。エアコンのない室内は夏だというのに、快適な室温に保たれている。たしか到着時の気温が18度だった。これでも暑い方だといっていたから、過ごしやすい国だ。もっとも冬は寒いだろう。

一部屋で寝ていると、夜中に目が覚めても隣のベッドで寝ている妻を起こしてしまうのをおそれて灯りをつけるのがはばかられる。二部屋あれば、気兼ねなく起き出して読書したり、ものを書いたりできる。全部のホテルがこれくらいのクラスならいうことはないのだが。はじめだけでもいいホテルだったことを喜ぶことにしよう。しばらく飲んでいると少し眠くなってきた。フラスコの中のバーボンはあと少しを残すだけになっていた。

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