介護者の方へ・・・

これから介護に携わる方へ、私の雑学・豆知識・意見をまとめて紹介していきます。
これはあくまで私個人の意見ですので、障害の度合いや、接する方の違いなどで参考になるところ、ならないところがあると思いますが、興味のある方は参考にして下さい。

介護受容者も人です・・・
これから介護に携わる方へ、携わるにあたって心がけておいてほしい事があります。
それは、介護受容者も人だということです。
介護受容者の中にも、当然良い人もいればわがままな人もいます。初めて携わった人が良い人なら、それにこしたことはありませんが、人によってはわがままな人にあたることもあります。
私自身、そういったわがままな人にも、何度か接して何度も不愉快な思いをしたことがあります。
でも、それがすべての介護受容者にあてはまるとは思わないで下さい。
「障害を持っているから・・、年配だから・・、そういう態度をするのには理由があるから・・、仕方のないことだから」・・・と言う人もいますが、私自身が不自由な体になって思いました「わがままな人はどんな理由があろうとも、わがままなんだ」と・・・。
ですから、そういう人にたまたま接した人は仕方がありませんが、そんな人ばかりだとは思わないでほしいんです。
介護受容者の中にも思いやりのある人・力強く頑張っている人がいるということを忘れないで下さい。
そして、介護する喜びを見つけて下さい。

介護は体が資本です。
仕事にしろ、ボランティアにしろ、介護にあたり一番注意しなくてはいけないのは、やはり自分自身の体です。
介護する人が介助を受ける側になっていたのでは何も意味がありません。
しかし、あれもこれもと言うのでは現実的ではありませんので、とりあえずこれから介護に携わる方は腹筋だけは鍛えておくことをおすすめします。
介護にあたり、一番使うのが腰です。そして痛めた時に一番困るのも腰です。
腰を強く保つために少しずつでも腹筋を強くしておきましょう。

お互い対等の立場
介護を行なう際、やさしい人の場合は(やさしくない人は介護に携わる事自体少ないから、この場合すべての人)、どうしても介護受容者の言われた通りに、介護受容者のために・・と、成りがちですが、介護受容者といえども、いけない事はいけない。わがままはわがままです。
間違った事を言ったり、行なったりした時には注意する勇気も大切だと心得て下さい。
わがままな介護受容者は、他の介護受容者の迷惑です。
介護受容者も対等な立場の人として接して下さい。

わからないことは聞きましょう
わからない事はそのままにせず、聞いてみましょう。
わからないからほっておく・・では、介護受容者の信頼を失うだけです。わからない事を何でも聞いてもらえる関係が安心感を生み、信頼関係を生みます。

自信を持って・・・
例えば、あなたが道を尋ねた時に説明してくれた人が「たぶん・・・」なんて、自信のなさそうなことを一言でも、言っただけで不安は数倍に膨れ上がると思います。
介護受容者も同じです。不安がる人に介助される時は、とても不安になります。
わからない時は、はっきりと「わからない」と言いましょう。
自信を持って行動すれば、その答えが「わからない」であっても、介護受容者にとっては安心感をあたえます。
自信を持つとは、知ったかぶりをする事ではありません。

バーンアウト
バーンアウトについては、別にページを設けました。そちらをご覧下さい。


ま め 知 識

ボランティアで初めて介護に携わる方への、豆知識

視覚障害
よく、「障害者の体験をしてみましょう」という催しで、目隠しをしてガイドについて歩いてみるという事が行なわれています。
そういう場では、「こわい・・」「ちょっと待て・・」と言って、なかなか前に進むことが出来ない人がほとんどです。
しかし、こわいと思うのはガイドの人を信用していないからです。
実際に視覚障害の人のガイドをすると、驚くほど速いペースで歩かれます。
それは100%ガイドを信用してくださっているからです。
逆に、ガイドする者が視覚の人を気遣って怖がっていては、障害者のほうも不安になります。
もし、視覚障害の体験をする機会がある時は、見えない怖さを体験するのではなく、ガイドしている人を信じてみることを体験してみて下さい。

車椅子との気温差
これは、車椅子に限らず小さな子供さんにでも言えることですが、夏に立って歩く人と、地表に近い所にいる人とは、大きな温度差があるという事です。
特に、日ざしで熱くなった舗装路の上では、温度差は50cm違うだけで数度になります。
舗装面から遠い人が暑い時には、舗装面に近い介助受容者(子供でも同じ)は、それよりもはるかに暑さを感じています。
夏、車椅子で介助する時には十分にご注意下さい。

障害者はその道のエキスパート
初めて重度障害をお持ちの方に接する人は、何かと怖がります。
重度障害の人から「初めての人でも、怖がらずにジュースを飲ませてもらえる道具を考えて・・」と言われたことがあります。
しかし、初めての人が怖がるのは仕方のない事。「そんな、道具を作ってしまえば、その人はいつまで経っても上達しないよ」と、返しました。
怖がる人に、介助を受ける側も怖いものです。相手の立場になって考え、自信を持って事を行なうように心がけて下さい。
介助を受ける人は、何人もの人から介助を受けてきた、その道のエキスパートだということを理解して下さい。

何でもないことが・・・
健常の方にとって何でもないことが、それをはじめて経験する障害をお持ちの方にとっては驚くほど嬉しい事だったり、新鮮な事だったりする事があります。
例えば、歩道橋の上からの景色は健常者にとっては、あまりにもあたりまえ過ぎて、わざわざ見たいと思う事はありませんが、車椅子でしか外出できない人にとっては、見たくても見に行けない景色です。
そういうことも理解して、介護に携わっていただけるとうれしく思います。

行動をするとは・・・
健常者でいると、歩く・食べる・喋る・・・当たり前のことは、つい意識せずに行なっています。
しかし、障害をお持ちの方にとってそれらの当たり前の事がなかなか出来ない人もいます。
障害をお持ちの方に接する時、普段自分自身はどのようにして当たり前の事を行なっているのか考えさせられる事があります。
例えば、水を飲むのにいきなり喉に流し飲むのではありません。一度、口に含んでから飲みます。
食事をするのに、端から順番に食べるのではないと思います。これがおいしそうだから先に(後に)食べよう。これを食べたら、次はこれ・・・と食べる事を楽しみながら食べると思います。
介護をするとは、介護受容者を理解し、介護受容者と共に考え行動する事だと私は思います。