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 2007/11/17 ドライビング・レッスン前編

久しぶりに消耗した。モーター・スポーツは、文字通りスポーツであることを実感した一日だった。
前回、「ドライビングスクールに参加するところからはじめるのが順当」などと書いてからすぐ見つけたのが、SMSC(鈴鹿モータースポーツクラブ)主催のドライビングレッスンだ。11月に初級者用が予定されているのを見つけ、すぐに電話で予約をした。

一応予約はすませたものの正式に受理された通知が来たのは、当日一週間前くらいだったか。それには、ヘルメットはフルフェイスが望ましく、ドライビンググローブは指先まで隠れるもの、という詳細な準備物が記されていた。バイク用のヘルメットはフルフェイスだったが、しばらく使ってないので、物置の片隅で埃をかぶっているのかどこにも見あたらない。

近くのカー・ショップで手に入るだろうと高をくくっていたのが、まちがいだった。仕事帰りに立ち寄った全国展開のカー・ショップには洗車用のワックスはやたら並んでいるのに、レース用のヘルメットやグローブは置いていないのだ。バイク用のものなら、バイク屋さんにあるのだが、せっかく新調するなら四輪用がほしい。休日出勤で店を探せない亭主の焦りを感じていたのか、妻がネットで探してくれた。Z社のフルフェイスが、値のわりに国際規格SNELL適合品で、ペイントのデザインが気にいった。

通販の問題点は、色やデザインは写真で確認できてもサイズが合うかどうかだ。洋服なら各部の寸法を採寸することでなんとかジャストフィットする物が選べるが、帽子や靴はメーカーによっても差があって、試着は欠かせない。しかし、土日は営業しない通販の場合、今週末には五日間しかない。返品・交換はもとより発送自体が間に合うかどうかというぎりぎりのところである。

メジャーで頭の周りを計ってもらい、こわごわ注文した。きつすぎれば入らないし、ゆるめでは使用するたびにごそごそになってくるからだ。あわせて、ドライビンググローブとヘルメットの下に着けるフェイスマスクも注文した。F−1でおなじみのあれだ。大げさなようだが汗を吸収してくれるので必需品らしい。期日までに必ず発送してくれるよう但し書きも書いてメールを送った。これで一安心と思ったのだが……。

月曜日に帰宅すると通販会社から至急連絡を乞うというメールが入っていた。なんでも、グローブとマスクは注文済みだが、ヘルメットは注文した品は在庫切れで月末にならないと入荷しない。お急ぎのようなので、ちがう色なら在庫があるが、どうかという。注文したのは地味目のモノクロームのペイントだったが、この際贅沢は言っていられない。車の色に合わせて赤と黒のペイント柄に変えた。

そしてレッスン前夜。やきもきしながら待っていると宅急便の指定時間を後15分残して、電話が鳴った。10分後に行きますので、とのこと。代金引換のご用意をという電話だった。そうそう財布に入れたぞと、財布を捜すのだがいつもの場所に見あたらない。洋服のポケットを探してもないので、駐車場に行き、車の小物入れを探したのだが、見つからない。代金は手持ちの金で払えるが、財布には免許証が入っている。ドライビング・レッスンを受けに行くのに免許証がないと始まらないだろう。

とにかく宅急便の人にお金を払ってから、落ち着いて思い出してみた。帰りに寄ったライト類を止めるテープを買った店ではたしかにあった。空気圧その他の点検に寄ったスタンドでも、レシートを財布に入れた。そこから駐車場まではどこにも行っていない。懐中電灯を用意してもう一度車の中を探してみると、ありました。なんと助手席の上に。上着のポケットから落ちたらしい。無事ヘルメットが我が家に。これでめでたしめでたしと思ったのだったが。二度あることは三度という通り、またトラブルが……。

ヘルメットを試着すると、窮屈な感じはあるものの、まあジャストフィット。ところが、である。カウルを開け。眼鏡を着けようとすると、なんと、あまりにぴったりしているところにフェイスマスクまで着けたので、眼鏡のツルが入る隙間がない。むりやり差し込むと曲がってしまうではないか。以前使っていた眼鏡に代えて、なんとかむりやり突っ込んで、やっと入った。耳のあたりが浮いている感じはするが、前は見える。ところが、だ。

息をすると眼鏡が曇る。フルフェイスなので、暖かい息が前に抜けずヘルメット内部を辿って眼鏡の内側に入ってくるのだ。ガーン。そういえば、眼鏡をかけたドライバーはいなかった、と思いだした。みんな眼は良いのだ。コンタクト・レンズという手もあるが、使ったことがない。眼鏡を外したら見えないし、息をしなければ死んでしまう。" to be or not to be "ハムレットの心境である。何度も試みた結果、口から息を吐かず、鼻で静かに呼吸すれば、曇りは最小限に抑えられることが確かめられた。

その後、テレビを見ながら鼻だけの呼吸を練習し、何とかいけるかもしれないと思いながら床に就いた。何を隠そう、この一週間アルコールを体内に入れていない。妻の提案を容れただけで、別段期するところもないのだが、中毒ではないのか、酒がなくてもよく眠れる。この日は、さすがに少しドキドキしたが、それでもいつの間にかぐっすり眠っていた。(続編に続く)

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