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 2007/9/17 アルファロメオ・チャレンジ

アルファロメオ・チャレンジは、アルファ・オーナーならエントリー自由。パレード走行ならそのままの車でサーキットコースが走れるのは無論のこと、ヘルメット着用やフロント及びリアのライトのテーピング等の条件さえ守ればレースにも参加できるという夢のような話。セナやシューマッハが走った鈴鹿のフルコースを自車走行できるめったにない機会である。年に何回か開催されているらしく、四月頃にもディーラーから誘いがあったが、あいにくその日は都合が悪く、泣く泣く見送ったのだった。今回もいろいろ事情はあったのだが、そこを押しての参加である。

台風の影響でときおり強い雨が降ってくるあいにくの空模様。集合時刻の9時に間に合うよう高速を飛ばした。1時間ほどで鈴鹿に着き、いつもの遊園地の入り口ではなく、サーキット側9番ゲートから車両通行証を見せて入る。集合場所のNパドックに着いた頃、雲の割れ間から青空が顔を出した。広いパドックにはGTや156に混じり、スパイダーやブレラもいた。147は新旧ともに多い。それにしてもよくこんなに集まったものだ。アルファロメオ四日市の仲間はパドック奧の一角に固まっていた。同じ赤い147の隣に車を止め、受付をすませるためAパドックまで歩いていった。サーキットではポルシェのレースが始まっていて、耳をつんざくようなエクゾーストノートが次々と横を通り過ぎていく。

ピット裏に当たるAパドックには、2時間耐久レースに参加する車が準備を始めていた。牽引フックや、ゼッケン、チーム名のロゴをつけた車は同じ車種でも一段と厳めしく見え、いかにも速そうだ。受付で、記念ステッカーとゲートパスを受けとる。このパスがあると、メインストレートの下を通り抜ける地下通路を通って遊園地に行ける。耐久レースのドライバーに招集がかかった。メディアセンターでブリーフィングがあるらしい。ちょっとのぞいてみることにした。

冷房のかかった室内ではすでに説明が始まっていた。プロのドライバーらしく、コーナーで尻を振り始めたときは、ハーフ・スロットル開けてやると、FFのアルファなら前輪が引っ張ってくれるから立ち直れる、というようなテクニックを教えてくれていた。この日は、受付近くにいて、どんな質問でも受け付けてくれるらしい。サーキット側の説明者は、ジョークを交えながらも、事故のないように細かな注意点を丁寧に説明していた。横転したときは動かず、レスキューを待つようにというのが可笑しかった。ドライバーがあわてて出ようとすると不安定な状態にある車は揺れて、かえって怪我をするらしい。

パレード開始まで時間があるので一度Nパドックに戻ったのだが、コースインを待っているうちにどんどん雨脚が強くなってきた。蒸し暑い日で、エアコンを効かせながら時々ワイパーを動かし、ピットレーンに移動する時間をひたすら待つ。10時30分、ピット前に並び終わった頃には、空は真っ暗。大粒の雨がフロントグラスを叩きつけるという最悪のコンディションになった。

信号がグリーンに変わって、いざ出発。今回はパレード走行なので、先導車のペースで走り、追い越し禁止という決まりである。狭いピットレーンから二台ずつ横に並んでのスタート。少しずつ前の車が出て行くと、緊張感が高まってくる。前のアルファGTに遅れないようにピットレーンから無事コースイン。アクセルを踏み込みながらメインストレートを少し走ると第1コーナーで減速。何十台もの車が次々にカーブに入っていくのだから、仕方がないが、もう少し速く走りたいところ。

S字を抜けて、ダンロップコーナーへ。続いてデグナーカーブに入る。前のレースで誰かが入ったのか、コース外にわだちがいくつも残っている。さっきの説明で、無理にアクセルペダルを踏むと、ブレーキパッドの間に小石が入りこむので、牽引車を待てと言っていたが、なるほど、砂利浜のようなものだ。ここに入ってしまっては自力で抜け出すのは容易ではない。立体交差の下をくぐってヘアピンカーブに入る。だが、スピードが出てないので、ヘアピンといっても何のことはない。200Rを抜けるとスプーンカーブの手前で、足踏み状態になっている。スプーンを回ってみて分かった。その先が西ストレートで、みんなここを目一杯走るために先行車をやり過ごしていたのだ。

それでは、とアクセルを踏み込む。しかし、前の車が立てる水しぶきならぬ水煙で、ほとんど視界はゼロ。フルスロットルまで行かないうちに水の幕を通してブレーキランプの赤い光が見えた。やむなくこちらも減速。シケインからメインスタンド前に出て、やっと一周だ。スタンド前のメインストレートは、やや下り坂になっており、いちばんスピードが出るところだが、二列走行追い越し禁止では、思うように引っ張れない。フルコースを二周して、パレード走行は無事終了。走り終わるころ明るくなってきた。後もう一周できたら、周りの景色を愉しみながら走ることができたのに、それだけが残念だった。

走り終わった後は、車をもとの場所に停め、38番ピットで、アルファロメオ四日市のチームが参加する2時間耐久レースを観戦した。カーナンバー22の赤い147がその車だ。ピット・クルーにまじって、目の前でみるレースはまた格別。さすがに迫力がちがう。さっきまで、首にタオルを巻き、くたびれたTシャツ姿だったK氏がブルゾン姿で現れた。「ちょっと走ってきます。」と言って、ピットインした22番に乗り込んだ。シートベルトをつけるのに手間取ったのはご愛敬だが、コースに出るとちゃんと走っているので驚いた。アルファのディーラーでは、岐阜がレースに熱心だと聞いていたが、四日市もけっこうやるではないか。

交代でピットに帰ってきたK氏に「メインストレートで何キロくらい出ているの?」と、聞いたら「170キロくらいかな。腕よりタイヤですよ。ぴったりのタイヤをはいたらかなりいけます。」と言っていた。K氏、「今度はレースに出てみませんか。今走ってる102番なんかほとんどノーマル車ですよ。」と、誘いをかけてくる。無論、出てみたい。アマチュアが、ノーマルの車でF1が開かれるサーキットを走れるというのが、嘘みたいな話だ。なにより、今回は少し消化不良だった。次回はもう少し速く走ってみたい。まずは、ドライビングスクールに参加するところからはじめるのが順当だろう。なんて、考え出している自分がちょっと恐ろしくなった。

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