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DAYS OF COPEN

 2007/10/15 曽爾高原

朝のうちは、空の半分以上を雲が覆い尽くしていたのに、北に向けて車を走らせるに連れ、青空が広がっていった。月曜日に休みがとれることが分かったとき、行き先は曽爾に決めていた。季節もよし、亀池のあたりでは尾花の白い花が開き初めているころ。人気が高く、いつも人でいっぱいの温泉も月曜日なら空いているだろうという見当である。

気温は暑くも寒くもなし。花粉の心配もいらない秋は、オープンには最適である。車検も終わって、コペンは走りたがっている。往きは、妻の運転で仁柿峠を越える。鬱蒼とした杉林の中を車一台通るのがやっとという道幅の狭い峠道は、ただでさえ剣呑。今日のような晴天は、普通なら有り難いのだが、杉林のなかを漏れてくる木漏れ日のちらつくのが、偏頭痛の引き金になる妻にはあいにくの天気。

それでもどうにか、無事峠を越え、道の駅美杉でたこ焼きをいただく。珍しい中華粥が手に入ったというので、それを朝飯にしたら、消化がいいのだろう、昼を前にして俄然空腹感が迫ってきた。コンビニはおろかまともに食事のできる店もない山道である。このまま、曽爾高原を歩くのは無理というもの。何か腹の中に入れておきたくなったというわけだ。ついでに、お気に入りの蒟蒻を買って店を出た。

御杖にはやはり「姫石の湯」という温泉があるのだが、今回はパス。ここに寄るといつも食べる定番の焼き鯖寿司を買ってお昼にすることにした。焼いた鯖と酢飯の間に紫蘇と生姜が挟んであるのがミソ。鯖の生臭さが魔法のように消え、脂ののった鯖の旨味だけが残るところが凄い。薄の原の真ん中で、お弁当を開くのはちょっといい気分だろう。御杖から曽爾まではあっという間。この頃には空はすっかり晴れ、休日とはちがって道には車の影もなく、ドライブには絶好の日和となった。

まずは、曽爾高原の駐車場に車を止め、薄の原に足を踏み入れた。尾花の穂は、ようやく開きはじめたばかり。まだ若い薄の花が、風に揺れているのがなんとも清々しい。遊歩道を通って、ベンチのある広場に来ると、すでにほとんどのベンチでは、お弁当を開いて昼食の真っ最中。ようやく二人分の空席を見つけ、先客に断りを入れて食事にありついた。

見渡すばかりの薄の原で、いただく昼食というのはまた格別。やれ、花見だ月見だと、何かと言えば野外に目を向けては、一緒に何か食べたがるのが、古くから伝わるこの国の文化だが、そのDNAはたしかに受け継いでいるらしい。野外で食べる食事は格別に美味い。鯖雲の広がる青空の下で、焼き鯖寿司をいただくというのもなかなかの趣向である。薄が原のランチでは、周りの人の会話がBGM。誰もが気分よく話している。

亀池の周りを回って、車のところに戻った。お目当ての温泉が待っている。「お亀の湯」は、つるつるの泉質はもちろんのこと、露天風呂から屏風岩の絶景が望めるロケーションが人気で、温泉ランキングでも上位を死守している。それだけに、休日ともなれば満員で、洗い場は順番待ちということになる。これでは落ち着いて入れるわけもなく、ついつい見送るということになっていた。

さすがに、ウィークデイ。駐車場も空いていて、すぐに停められた。それでも下駄箱のふさがり具合から見てほぼ満員。山登りや薄見物の後は、ここで汗を流す人が多いことが分かる。今回も男湯は山側。屏風岩に正対する女湯に比べ、見晴らしはもう一つだが、露天風呂からそのまま地続きで薄や紅葉しはじめた木々が眺められるのがいい。山裾と露天風呂の間にしきりがないので、いかにも自然のなかで湯浴みしているという気分に浸れるというわけ。

刷毛ではいたような雲が空に浮かび、露天風呂は、半分に日が当たり、半分は建物の日陰になっていた。強い陽差しを避けて、日陰の部分が混むのがおかしかった。しかし、後で鏡をのぞくとすっかり日焼けをしていたのには驚いた。秋の陽差しはばかにならない。

お亀の湯のいいところは、源泉が広いのと、加水、加熱をしていないわりに温かいところである。実は、数日前チーズをおろしているときおろし金で一緒におろしてしまった親指の傷を治すのに、できるだけ源泉に長く浸かっていたいのだ。二日前にはさるびののぬるめの源泉にじっくり浸かった。今日は今日で、お亀の湯の源泉に長湯。これで治らなかったら不思議である。

帰りは、ステアリングを握らせてもらった。白山方面から久居に抜ける道は、雲出川の渓流を横に見ながら走るロケーションのよい道。温泉で火照った頬を川風に吹かせながら走るのは、至福のひとときである。秋晴れの一日。久しぶりに気分爽快のドライブであった。

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