HOME | INFO | LIBRARY | JOURNEY | NIKE | WEEKEND | UPDATE | BLOG | LINK
 JOURNEY / BORDER OF EUROPE / DAYS OF COPEN / GALLERY
Home > Journey > Days of Copen >nunomedam
DAYS OF COPEN

 2006/1/5 布目ダム

1月3日は、針テラスでHCCのオフ会だった。妻は気管支をこじらして体調は万全でない。二人の子どもは、その日下宿に戻る予定だった。帰る日に両親が二人とも留守というのもかわいそうで、妻だけ行かせようと思っていたが、運転中の咳はハンドルを取られたり、一瞬目をふさいだりしてけっこう怖い。大阪に帰る長男が夜までいるというので、友だちの家に泊まって帰ってきていない二男を任せることにした。

11時に針テラス集合である。高速と名阪に乗れば約1時間半で行ける。9時半に家を出た。妻の車もETCを登載したのだが、期限が切れる前にハイウェイカードを使い切ってしまおうと、この日は一般車のゲート。初詣の車で対向車線は混んできていたが、こちらの車線は帰省ラッシュとも無縁ですいていた。

横風の強い日で、小さなコペンはかなり影響を受ける。あまり飛ばさず慎重に走った。予想通り途中でしぐれてきた。前を行く車が上げる飛沫でフロントガラスがすぐ汚れる。こまめにワイパーを動かした。もともと名阪国道ではよく雨に遭う。それはいいが、五月橋を過ぎたあたりから沿道に雪の残るのが見えはじめた。スタッドレスに換えてないのは妻も同じ。針テラスまでは問題ないが、その後、どこかに走るとなると心配だった。

針テラス手前あたりから、どの車もスピードを控えめに走るようになった。眼下に雪で真っ白な田畑が見えては、凍結が心配になっても無理はない。予定より十分遅れて道の駅に到着した。駐車場に入りかけるところで、コペンの集団を確認、最後尾につける。車から出て驚いた。凄く寒い。気温は二度を示しているが強風のせいで体感温度は氷点下くらいに感じられる。

その中をオープンで走ってきたらしく、防寒コートの人が目立つ。こちらは二人とも、今日は開けるつもりがなく革ジャケットだけである。この風の中、いつものようにまったりと喋るのかと考えたらそら恐ろしくなってきた。挨拶を交わす妻をしり目に、ジャケットの襟を立て、会う人ごとに「寒いですね」と繰り返していた。さすがに主催者のHさんが気を利かせて、イタリア料理店に入ろうと提案。ほっとした。

店の名はメルカート・ロッソ。前にも一度入ったことがある。フェラーリの実車やグッズを展示したスペースを持つ洒落た店だ。四人がけの席には○さんが同席した。猫を飼っている同士で妻と話が弾むみたいだ。注文したのはピッツァ・マルゲリータとアンチョビとオリーブのパスタ。どうやら運転は大丈夫らしく、正月でもあり妻の許しを得て白のグラスワイン。銘柄は魚の形をしたボトルで有名なペッシェ・ビーノらしい。水容れ代わりにボーイが持ち運んでいる。

マルゲリータは大きく、しかもチーズの量が半端じゃない。ローマ風薄焼きピザの生地がチーズの重みで垂れ下がるところが難だが、味は上等。食べきれないと妻がいうので○さんにも食べてもらう。実は2日の昼にアンチョビとキャベツのパスタを食べたばかりだった。妻に笑われたが好きな物は仕方がない。これも美味かった。オイル系のパスタが好きだが、どこで食べたよりも美味しい。もちろん妻の作ったものは別にしてだが。

食事の後は、布目ダムまで走ることになった。あまり長居はできないが15キロほどだというので参加することにした。雲が割れ、晴れ間が見えてきたのでトップを開けた。シート・ヒーターをつけたら、さほど寒くはない。やはりオープンはちがう。走っていると気が清々する。山道に入る頃からスピードが上がりはじめた。排気音がいちだんと高くなった。

カーブを曲がると先を行く車が見えるのだが、すぐ次のカーブが来る。ダムに近づいているのだろう。上るに連れ、道の上に残る雪の量がふえてきた。それまではムカデ走行のスピードにも何とか付いていけたのだが、ノーマルタイヤで雪の道、しかもはじめての道である。慎重になるのはやむを得ない。出遅れて最後尾に付いてしまったのがまずかった。信号で離されて前の車を見失ってしまったのはそれからしばらくしてだった。

携帯電話で連絡を取ろうとするのだが、圏外のマークが出るばかり。一番後ろを走っていた車は、あきらめて帰っていった。見当をつけて走っているうちに布目ダムには着いたのだが、管理棟のある場所には人っ子ひとりいない。ならば、と柳生の里まで走ってみたがここも閑散としている。トイレをすませて外に出ると、妻の携帯に電話が入った。やはり布目ダムにまだいるらしい。戻ることにした。

さっきの場所で車を降り、妻は携帯片手にダムサイトを歩きはじめた。近くにいるはずだから探すというのだ。帰ってきて言うには、どうやらダム湖の反対側に集まっているらしい。布目ダムを示す看板があったところを曲がらず、直進したらよかったのだ。そうは言っても、そんなことは分からない。他のメンバーは前にも来たことがあるのか知れないがこちらは初めてだ。ついつい看板を頼りにすることになる。すぐ近くだからもと来た道を下った。

看板のある分かれ道を直進すると、小さな公園が見つかった。駐車場では先客のグループがラジコンヘリを飛ばしていた。仲間の車はと見れば狭い道に縦列で二列に並んでいる。車の入ってきたのを見て手を挙げている。ちょっと恥ずかしい。妻はすぐに仲間に入って話し始めた。細長いスペースなので、三々五々固まって話すのだが、山に囲まれているので吹きさらしの針テラスよりは暖かい。夏にはバーベキューをしに来るそうだ。

妻はもっと話をしてたそうだったが、子どもを待たしている。そろそろ帰る頃合いである。他にも帰る人がいて、車の移動をしなければいけなくなったのを潮に、おいとますることにした。和歌山から来ているMさんが地元の梅塩をお土産にくれた。来られない予定だった友人とも会えて、妻は喜んでいた。隣に座って船を漕いでいるだけだが、道に迷ったときなどは一人よりは心強い。まあ、お役に立ててよかった。しかし、一度もステアリングは握らなかった。これでは走り初めとは言えないなと、帰り道で一人ごちた。

< prev pagetop next >
Copyright©2005.Abraxas.All rights reserved.since 2000.9.10