2007/8/5　あぶり真鯛丼

どこに書いたか忘れてしまったから、ここで紹介しておくことにする。道の駅「紀伊長島マンボウ」の「あぶり真鯛丼」はうまい。はじめは妻が食べたのだった。美味しいよ、というので、少し分けてもらって、一口食べた。うまい。それから、何度か通ったのだが、満員だったり、売り切れだったりでなかなか食べることができなかった。自分にとっての幻の味だったわけだ。

大ぶりに切って軽くあぶっておいた真鯛の切り身が数枚、刻み海苔を散らした白飯の上に放射状に乗っている。その真ん中に薄切りにした生姜と大葉の上にのせた山葵が添えられている。小皿に入ったお浸しとあおさ汁がついて８００円。

鯛を軽くあぶったところがミソである。そう脂がのるという魚ではないので、焼いてしまうとボソボソした食感になりがちな鯛だが、表面を軽くあぶってやると噛みきるときにさくっと身に歯が入る。刺身ではこうはいかない。生きのいいのが売りの刺身は、かみごたえがありすぎて、さくっとは噛みきれない。寿司のように一口大になっているなら別だが、丼である。さらさらっと箸でかき込むように食べたいではないか。

食べる前に山葵醤油をくぐらせて、白飯の上にのせる。醤油が白飯に少しつくかというくらいでいい。そうしたら後は一気に食べればいい。一口ひとくち味わいながらゆっくり食べたかったら、そうするもよし。口の中で香ばしい海苔の薫りと野趣溢れる鯛の旨味がみごとなハーモニーを奏でる一品である。あおさのたっぷり入った味噌汁と一緒に召し上がれ。