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Lunchtime

 2007/2/11 イタリア村

三連休の中日。どこかに出かけたいけど、どこがいいのか思いつかない。妻に助けを求めると「下諏訪温泉、イタリア村、大阪オートメッセ」と三択で答えが返ってきた。自分の優柔不断さは別にしても、どうして、そんなにすぐに答えられるのか理解できない。諏訪まで行って日帰りというのは時間的に無理。大阪と名古屋なら可能だが、オートメッセは会場へのアクセスが車では難しそう。駐車場のあるイタリア村に決めた。

天気はいいのだが、昨日あたりから鼻がむずがゆい。花粉の季節にオープンというのは無謀だ。まして行き先がイタリア村。ここは147の出番だろう。シートに座り、ナビに行き先を打ち込んだが反応がない。ナビが作られた年にはイタリア村はまだできていなかったらしい。情報は生ものだ。賞味期限切れの情報ばかりため込んでいては高価なナビもただの箱だ。かといって毎年バージョンアップしていては出費もばかにならない。無料でサポートするくらいのことはしてもいいはずだ。

湾岸から入るのは分かっているのだが、高速を降りてからが心もとない。仕方がないので、最寄りの地名でルートを検索した。名古屋はさすがに都会である。道路際にイタリア村の標示を見つけ、目的地に向かうため右折レーンに入ったとたん渋滞につかまった。業を煮やしてレーンを変更したのだが、どこから入ろうとしても延々と続く車の列。あきらめて、おとなしく列の後ろについた。結局駐車場に入るまで、一時間かかった。我ながら気が長くなったことに驚いた。以前なら引っ返していたところだ。

まずは腹ごしらえと、レストランを探すのだが、昼飯時はどこも長蛇の列。空いているところを探し歩いたあげく、入り口近くのリストランテの列に並んだ。表に出したメニュー黒板に仔牛のサルテンボッカがあったからだ。イタリアに行った際、BSEの影響で食べそこなった経緯があった。ところが、テーブルについて確かめるとランチタイムはランチメニューだけという。パスタ程度のイタリアンなら、わざわざここまで足を運ばなくても、外にいくらでも気の利いた店がある。他にはないものを供してこその「イタリア」村だろうに。

ヴェネチアを模した鐘楼や運河に架かる橋は、それなりによくできているが、如何せん敷地面積が狭すぎる。ゴンドラの浮かぶ水路は申し訳程度で、写真撮影用。イタリア村の実態はショッピング・モールであることが分かった。そうと分かれば、買い物しかすることがない。もっとも、そこはイタリアから輸入した品物が並ぶので、好きな人には堪えられないだろう。冬物のセールが始まっていて格安の革のジャケット他、何点か手に入れることができたのは幸運だった。

海沿いに建てられた建物だけに、買い物の途中、床いっぱいに切った窓から海の見えるのがちょっと他では味わえない気分だ。ヴェネチアなら対岸にも石造りの教会や堂々とした商館などの建築が立ち並ぶのが見えるところだが、名古屋港からは荷下ろし用のクレーンくらいしか見えないのは仕方がない。それでも、海の景色には気分を解放させる何かがある。

最後は、食料品売り場で、ワインやチーズ、ハムと食料品を買い漁って帰途に着いた。ワインの品数の豊富なことには驚いたが、かなり値のはる物も多く、誰が買うのだろうと考え込んでしまった。この店のいちばんのお薦めは、イタリア風の惣菜とお菓子だろう。特にタルトは絶品である。暖かい日なら、ここで買ったサンドイッチやチーズ、ハムとワインを持って、小運河沿いに並んだテーブルでお昼にするのもいいだろう。

駐車場に帰る通路から見た夕暮れの空に鐘楼が聳えたっていた。日本のどこにでもある猥雑な街が作り出すスカイラインが暗闇の中に沈むことで、異国的な相貌が立ち現れてきていた。海に向かって立つ塔を見晴るかす広場のないのが惜しまれる。

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