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DAY TRIPPER

 2007/6/9 通勤路

はじめは、車で走るようにごくごく普通の道を走っていたのだが、自転車で走っていると、朝の通勤でもふだんは通らない道を走ってみたくなる。なにしろ、細道でも怖くないのだから、自由自在だ。父の墓に通じる久世戸の坂は、中学時代に通学路として毎日通っていた道だが、高速道路が横切り、二本の測道で寸断されたため、すっかり様変わりしてしまった。

寺を囲むようにあった竹藪は消え、蒲の穂が生い茂っていた沼地も跡形もなくなった。そのかわり、急な崖から下界を見晴るかす見晴らしのよい高台が出現した。宮崎駿のアニメにでも出てきそうな鳥瞰図的な景観は、ちょっといい。毎朝通るたびに爽快感が胸に広がる。急な階段は下を走る測道に通じているが、自転車では無理。坂を下りて測道に出る。

最近急に増殖してきた珈琲のチェーン店の前で御幸道路を横断し、田圃の中に建つ市民病院の方に下りてゆく。ここまでは、ほとんど車に脅かされない。病院の前には、モダニスト詩人の北園克衛の詩碑が建っている。その前には国道が通っているので、やむなく歩道を走る。毎朝、出勤途上の女性ひとりとすれちがうだけで、あとは専用道路みたいな歩道だ。

サドルの高さを上げてもらってから、だらだら坂程度なら上りも気にならなくなってきた。膝が伸びるのでペダルを漕ぐのが楽しい。初午で知られる松尾観音社の下をぬける。ここはひび割れた路面がカーボンでも吸収しきれないショックをハンドルを握る手に伝えてくる。駐車場をショートカットして広い道路に出る。近くにいくつも学校があるので、通学の自転車が多い道だ。

高校生時代、ドロップハンドルの自転車で通学していたが、最近は前に籠をつけたタイプの自転車しか許されていないのか、みんな腰を落とし、膝を曲げたまま走っている。ときどきサドルから腰を浮かし、ペダルに足を踏ん張って乗っている姿を見かける。あれは、きっと膝がだるくなっているのだ。スピードが出せないから、車も走る道を横一列に広がって何台もの自転車がしゃべりながら走っていたりする。隙間を縫うように追い越すのだが、自転車のいちばんの障害は自転車のようだ。

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