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DAYS OF COPEN

 2010/4/11 三多気の桜

ふだんは自分が日本人であることをそんなに意識しない。
ところが、春が来て、桜が咲き始めると、どうもそわそわし出す自分がいるようだ。
今年はまだどこにも桜を見に行っていない。早くしないと散り始めるぞ、と。
くもりのはずだった土曜日。朝からのいい天気にさそわれて、桜を見に行くことにした。

行き先は三多気。以前一度行ったが、その時は花はすでに終わっていた。
猛々しいまでに茂りきった葉桜の葉むらを見ながら、いつかまた来ようと思ったのだ。
遅い昼食をしたたためてから、今回はコペンで出かけた。三多気は幹線道路から遠い。
最短コースは葛折りの杣道が続く仁柿峠を通らなければならない。対向車でも来れば厄介だ。
妻が運転したくないと言うので、久しぶりにコペンのハンドルを握ることにした。

道中はどこもソメイヨシノの花盛り。クローンなので、一斉に咲き、一斉に散るのだそうだ。
それでも寒暖による差はあるらしく、宮川河畔の桜並木は、はや散り始めていた。
仁柿峠は大型車通行不可で、ふだんは通行する車がまれなのだが、この日はちがった。
やたらと対向車が多い。それにこの道に不慣れな車が多く、対向もままならない。
ノロノロ運転の車に先行され、峠を越えるのに、ずいぶん時間がかかった。

三多気の桜は、このあたりでは有名で、わざわざ遠くから観光バスで来る人もいる。
山の中腹にある駐車場はいっぱいだったが、帰る人もいて、少し待つと入れた。
へえ、と拍子抜けしたのだが、そのわけはすぐに分かった。
駐車場近くの桜は満開だったが、山上の真福院に至る桜並木は、まだ三分咲き程度。
つぼみのままの木もあっては、人の出も今一つといったところなのだろう。
それでも、晴天の休日とあって、花の下に敷物を敷いて、花見を楽しむ一団もある。
近在の農家でとれた野菜や餅などを売る屋台も軒を揃え、それなりの賑わいを見せていた。

ここの花は、一度急坂を上りきって寺に詣で、その帰り道にゆっくり楽しむのがいいだろう。
田植えを前に満々と水をたたえた棚田の上に桜の枝がのびる姿は実に美しい。
また、山を背に豪家の茅葺き屋根越しに見える古武士然とした山桜の古木もいいものだ。
帰る背に、誰が打つのか山門の鐘がいつまでも余韻を残して響いてきた。

桜の花を愉しんだ後は、近くの曽爾高原に足を伸ばし、久しぶりのお亀の湯を堪能した。
日も暮れかけた山道を帰るのはさびしいので、名張に出て高速に乗ることにした。
走り出してしばらくすると、青蓮寺湖畔の桜が、夕暮れ時の空に映えて何とも言えず美しい。
夜のドライブのため閉めたトップだったが、道路脇に車を止め、もう一度開けることにした。
かわたれ時の藍色の空を透かした桜のトンネルの中を走るのは最高の気分だった。

>>PICASAに写真があります。スライドショーでどうぞ。

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