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 2009/8/12 湯の峰温泉

久しぶりの夏空にどこかへ出かけたくなった。盆帰りの帰省客で車の混雑が予想される。
そういうときは、迷わず南に下ることにしている。川湯も渡瀬も行ったことがあるが、
湯の峰はまだだ。下道を走っていくことにした。150キロほどの道のりである。
高速が開通していれば、あっという間だが、途中まででは有難味が少ない。
42号線で大台経由紀伊長島に出る。そこから尾鷲、熊野へ。
七里御浜の手前にある立石南の信号で紀和町へ通じる311号に乗り換えるルート。

昼前に紀伊長島に到着。少し早いが、あぶり真鯛丼で昼食。妻は海鮮ちらし。
このルートでは、ここがいちばんのお気に入り、まず外すことはない。
国道沿いにはなぜかラーメン屋が多いが、入ってみたくなるような店は少ない。
魚の旨そうな土地なのだから、もっとその手の店がふえてもいいと思うのだが。

311号はいつものようにほとんどだれも通らない。気持ちよくステアリングを握る。
湯の口との分かれ道で橋を渡り細い道に。しばらく山道が続くが、やがて311号に戻る。
川湯、渡瀬への道を教える標示を過ぎると、湯の峰はすぐだ。
あっけなく着いた。広い駐車場があり、車はそこに停めて歩く。

小さな川が上の方から流れていて、その両岸に旅館が建ち並ぶ温泉街の風景である。
日盛りの真夏の午後のせいか、人通りはまるでなく閑散としている。
橋の向こうに大きな木と石碑が見える。寺らしき屋根も見えるので、そちらに向かう。
橋の下に温泉が湧き出るのだろう周りに柵をした湯筒が見える。
有名なつぼ湯はその向こうにあった。小栗判官蘇生の地と書いた幟が立っている。

写真では、つぼ湯がもっとよく見えていたが、今は、すっかり囲われていて中が見えない。石段を下り、戸を開けてのぞき込んだ。小さな、本当にひとり入るのがやっとのお湯がある。
手を突っ込むとかなり熱い。周りを板で囲まれて暗くて狭い。入湯料が780円。見ておくだけにした。近くに公衆浴場がある。そこではいることにした。

松竹新喜劇にいた曽我舎五郎八によく似た受付のおじさんは、
「昨日までは天気が悪かったけど、今日は暑いなあ。」と言った。
「ここらは、もっと涼しいかと思ってきたけど。」と言うと、
「ここは夏は暑いし、冬は寒いので有名なんや。」
「そらまた、なんで。」と聞くと、
「そら、下から湯が湧いたある。」
「なるほど、そしたら冬は暖かいやろう?」
「いかんがな。冬は日がささん。」
「それもそうやなあ。」
と、言ってるところに妻がやってきた。
券売機にはくすり湯と一般の二種類がある。シャンプー、石鹸が使いたければ一般だそうな。
「どっちがええの。」と聞いたら
「そりゃあ、くすり湯やろ。源泉百パーセントや。」
というので、シャンプーはあきらめてくすり湯の方へ。一人380円也。

くすり湯は入り口は一つで、中で男湯と女湯に分かれている。
他に客は誰もいない。貸し切りみたいなものだ。湯は熱からずぬるからず。
透明だが、硫黄臭がある。開け放した窓から涼しい風が入り、屋根も高く露天気分である。手足を伸ばし、ゆっくり入り、窓辺で体を冷ましてはまた入ると、二三回もしたら充分。
ひとりで貸し切り気分もいいが、間がもたない。

せっかく汗を流しても、すぐにまた汗になるのが、夏の温泉の厄介なところ。
温泉街の散策はまた涼しい頃にすることにし、車にもどってエアコンをかけ走り出した。
帰りは、新宮によって香梅堂の鈴焼というお菓子を買って帰ることに。
人形焼きに似た何の変哲もない昔風の菓子なのだが、妻のお気に入りだ。
新宮に入って橋を渡ってすぐと聞いていた。反対側の通りにそれらしき店を発見。
車を止め、妻が歩いて買いに行くものの、何分待っても帰ってこない。

痺れを切らして店の中をのぞいたら、なんと行列ができている。
仕方がないので、店の駐車場に車を停めて待つことしばし。次から次へと車がとまる。
なんで、こんなに客が、と思った。本当にごく普通の昔ながらの味なのだ。
盆の手土産用に買う人が多かったようだが、その人気恐るべし。

少し時間がかかったので、帰りは高速を利用した。大台から伊勢まで割引で半額650円。
確かに高速は速い。もっとも、片側一車線なので、遅い車の後につくとイライラさせられる。
制限時速は70キロなのだ。24年までには紀伊長島までのびるようだが、選挙次第だろう。
民主党が勝ち、高速料金が無料になったら、一車線の道に車が溢れ、渋滞まちがいなしだ。
政治に興味はないが、高速料金無料化が、どんな結果になるのかだけは見とどけたいと思っている。

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