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 2007/8/29 渋川温泉

日帰り温泉のコーナーに信州の温泉を入れるのもどうかと思うが、現に日帰りで行ってきたのだから問題はないと思うので紹介する。中央高速を諏訪インターで下り、メルヘン街道という何やらロマンティックな名前の道を蓼科方面に向けてひたすら走ること二十分ほど。別荘やら山荘風の洒落た建物がちらほら見えだしたらそこが蓼科温泉郷の入り口である。

今回訪れた渋川温泉保科館は、その中でも最も入り口近くにある至って交通の便のいい秘湯である。そうなのだ。街道から1キロ入ったらそこがもう秘湯。嘘ではない。ちゃんとポスターその他にそう謳っている。事実、車を降りると周りには他の建物はなく、山中の一軒宿の佇まい。旅館風の玄関は、さすがに少しくたびれかけていたが、どうやら現役らしく、他の客の車もあるので安心した。フロントで800円の料金を払って、言われた通り階段を下りる。

階段はずいぶん下の方まで続いていた。まだ下りるのか、と思ったところにようやく標示があった。右手が女湯、左が男湯である。脱衣籠に服を脱いで、貴重品入れに車のキイを入れた。これがないと帰れない。寂れた様子にもかかわらず、けっこう客がいるのに驚いた。後で調べたら、「信玄の隠し湯」とテレビでも紹介されたりしている、それなりに知られた温泉だった。男湯は内湯も露天も岩風呂で、お湯は炭酸水素塩泉で、色は茶褐色。65度の湯がかけ流しという贅沢なものだった。

露天風呂の前には温泉を利用したプールもあったが、今は使われていないようだ。いくら水着で入っても目の前に男湯の露天風呂があっては居心地が悪かろう。男専用というわけにもいかないから開店休業ということか。プールの向こうで水音がする。プールサイドをぶらぶら歩いて行ってみると眼下に瀧が流れ落ちていた。その向こうには山が聳えている。仙境という雰囲気に秘湯という名もだてではないと改めて思い直したことであった。

やはり露天風呂は外気温の低いところで入るのが気持ちがいい。火照った体を川風に吹かせていると極楽気分である。目の前を山の稜線が斜めに横切り、その向こうの空にはうっすらと雲がかかっていた。高原は初秋の気配であった。紅葉の頃もいいだろうなと思いながら、体を洗うのも忘れ、湯舟に浸かっては岩に腰かけ、また浸かってを繰り返していた。長居したいのは山々だが、帰りの運転もある。温泉はリラックスできる分だけ眠気を誘うのだ。頃合いを見て外に出たのだった。


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