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Lunchtime

 2009/10/13 とろろ飯

それまで、何度も店の前を通りながら、一度も入ろうとしたことがなかった。一つには、よく言えば店構えが立派すぎて、足が進まなかったこともあるが、好奇心の強い方ではない。初めての店というのはきっかけがなければ、まず入ろうとしない。口コミなり、下調べなりがないと行けないのがいつもの癖でもある。要は臆病なのだ。

その店は、美術館の隣にあり、ネットの関連情報で名前だけは知っていた。今回は、やはり妻が温泉を調べていて見つけてきた。自然薯尽くしの料理が売りだそうだ。山芋、長芋の類は大好物である。よく見れば店の看板にもそう書いてある。でんと構えた店の雰囲気に気圧され、見逃していたのかもしれない。どうも小体な店の方が性に合っているらしい。

駐車場はほぼ満杯状態。何十台もの車が犇めいている。ようやく一台分の空きスペースを見つけ、店に入った。店の中は広く、二階もあるらしい。数グループの先客が待っていたが、次々と呼ばれて、さほど待つこともなく二階に上げられた。相席と言われていたが、小卓を向かい合わせて二人で座る席が空いていた。

「自然薯御膳」というのが定番らしく、幾つもの種類が献立表に載っていた。自然薯と麦飯のとろろ飯に、自然薯豆腐、蕎麦、香の物が基本で、それにお造りや自然薯を揚げたものなどがつく。その組み合わせによって千円から三千円まで値が上がっていく。中くらいの松と竹のセットを注文した。今回は妻が飲む番で剣菱も冷やで一本。

ほどなく料理が来た。擂り鉢に入った自然薯はすでに味がつけられているのか、卓上には醤油もない。お櫃に入ったご飯を茶碗に少なめに盛りつけ、そこにたっぷりの自然薯をかけて召し上がれ、というのは、隣の席に膳を運んできた係の女性の受け売り。当方に膳を運んできた人は無口なのかなんの説明もなし。

早速聞いたとおりに盛りつけて食す。なるほど美味い。薄味だがちょうどいい味が付いているので、箸がすすむ。蕎麦にもかけよ、と隣から聞こえていたので、蕎麦もとろろ蕎麦に。これも美味い。海老と椎茸が入っていたが、椎茸の甘さが際立つ。伽羅蕗の辛さと好一対だ。ご飯はお代わり自由だそうだ。麦飯をたっぷりの自然薯で食べるとほとんど流し込む感じになる。どれだけでも入りそうだが、そんなに食べられるものではない。

カラオケのセットが廊下に置いてあり、宴会も受け付けていると書いてあったが、とろろ飯で宴会というのはどんなものだろうか。初めからとろろを食べながら、宴会をするのだろうか。確かに造りも美味かったが、ひとしきり飲んで食べてから、シメがとろろというのは辛いものがあるだろう。ちょっとのぞいてみたい気がした。湯の山街道沿い、パラミタミュージアム隣。


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