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 2010/1/7 永源寺温泉

紅葉で有名な永源寺だが、すぐ近くに温泉が出たことをネットで知った。その名も永源寺温泉「八風の湯」。なんでも、永源寺のすぐ近くだという。これは行ってみなくては、というので今回の日帰り温泉はここに決めた。新名神、名神と乗り継いで八日市で下り、あとは421号線をひた走ること、二十分ほど。

先に食事でもと、勇んで入ったのだが、フロントで入館料を払わないと食事もできない仕組みになっている。食事だけして、温泉は後ということにはできないらしい。そうするともう一度入館料がいるというのでは致し方ない、先に永源寺への参拝をすませ、その後に来ることにした。

五年ほど前に訪れて、その美しさが忘れられず、今年もと思ってきたのだが、残念ながらさすがに紅葉の季節は終わっていた。でも、そこは古刹。寂れた冬日のなかで、いかにも禅寺らしい風格を見せていたのが好ましかった。門前の茶店の味噌田楽もことのほか美味で、まずは満足。国内屈指という葦拭き屋根の方丈に上がって、暫時眼下に広がる近江の野の景色を堪能した。

温泉に戻り、まずは腹ごしらえ。愛知川の河原を見下ろす食堂に入った。妻はヘルシー御膳。当方は田舎御膳。妻の方は、限定二十食というのに、ちゃんとあって、当方が注文した田舎御膳は売り切れという。どちらも岩魚がついているのだが、妻の方は、塩焼き、こちらは刺身と煮つけである。刺身が人気なのだろうか。仕方がないので、蕎麦のつく、もみじ御膳にした。

料理が来た。もみじ御膳には、天麩羅と岩魚の箱寿司がつき、蕎麦は温かいのと冷たいのが選べる。天麩羅を塩で食べるのが当世風らしいが、蕎麦つゆに浸して食べるのが好きなので、ざるにしてもらった。妻の方は、岩魚の塩焼きに刺身蒟蒻。それに雑穀飯に山芋のとろろと味噌汁がつく。食後にはグレープフルーツもついていた。

妻が言うには今まで食べた岩魚の塩焼きのなかでいちばん美味いそうだ。蕎麦は永源寺蕎麦、蒟蒻は永源寺蒟蒻と、なんでも永源寺の名を冠するのが愛きょうだが、蕎麦も蒟蒻もこのあたりの名物らしく、たしかに美味い。地酒を熱燗で一本つけてもらって、岩魚をさかなにちびりちびりとやるのはたまらない。大きなガラス窓越しに見える晩秋の景色も、色を添えて、なんとも贅沢な午餐であった。

さて、温泉だが、低張性の単純アルカリ泉で、地下1750メートルから湧き出している。源泉百パーセントだが、かけ流しではない。ということは循環させているのだろうが、ちゃんとそううたっているところはいさぎよい。内湯には薬草の湯とただの温泉の二種類。サウナに塩サウナ、露天風呂と一応揃っている。岩盤浴も予約制だが用意されている。

一押しは、愛知川の河原が一望の露天風呂である。男湯には、垣根などなく、湯舟の向こうがそのまま見える。枯れ薄が広がる河原の向こうには道路も走っているが、遠いので、のぞかれる心配はいらない。男湯と女湯は日によって入れ替わる仕組みなので、目隠し用か、すだれが巻き上げられていた。天気予報は晴れのち曇りだったが、たしかに雲は多いもののところどころに青空も見える、まずは上天気。ちぎれ雲の浮かぶのをぼんやりながめながら、暑くなったら湯の外に出、かけ湯をしながら、寒くなったらまた首まで浸かるという露天三昧。櫟の葉の舞い落ちる野趣溢れる温泉を愉しんだことであった。

入館料は平日1300円。土日祝日は1500円と、少々高いが、タオル、バスタオルはもちろん、作務衣風の浴衣もついている。風呂上がりに、そのスタイルでくつろげるスペースもたくさん用意されていて、マンガの読める部屋もあれば、リクライニングシートに液晶テレビがついたファーストクラスみたいな休憩室もある。温泉より、休憩室の方が人が多かったような気がするほど、充実した設備であった。駐車場には滋賀県ナンバーが多かったから、近くの人の癒しの場になっているのだろうが、高速は、しばらく土日千円でいくらしいから、遠慮は要らない、近県からの日帰り温泉として充分使える施設である。特に料理とロケーションはお薦め。是非一度お試しあれ。

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