Q:シャンプーと抜け毛の関係について教えてください

A:シャンプーをすると毛が抜けるから、なるべくシャンプーはしないという人がいます。この方のご質問は多分このようなことを指しているのだと思います。

結論から言えばシャンプーをしたために抜け毛が増えるということはありません。むしろ抜け毛を防ぐためにはシャンプーをして頭皮を清潔にすることが大切なのです。特別な事情がない限り、毎日あるいは、少なくても2日に1度はシャンプーしたいものです。皆さんはヘアサイクルをご存知だと思います。人によってその数に若干の違いはありますが、毛は毎日70本程度は抜け落ち、その分が別の毛穴からまた生えてくることを繰り返しています。生えつづけていた毛の毛根も時期がくると休止期に入って毛を作ることを止め、徐々に皮膚の外へと押し出されていきます。そして約3ヶ月ほど経つとその毛は自然に抜け落ちてしまうわけです。生えつづけているときには70gほどの力でやっと抜くことの出来る毛も、最後には風に吹かれただけでも落ちてしまうような状態になります。ですから間もなく抜けるところまできている毛はちょっとの力、たとえばシャンプー、ブラッシング、コーミング程度の力で簡単に抜けてしまうのです。数日に1度しかシャンプーしない場合には、その数日分がまとまって抜けるため、驚くほど多量になるわけです。抜けるのがこわい、だからシャンプーしない、たまにシャンプーすると多量に抜ける、それがこわいからシャンプーしないといった悪循環が見受けられるのです。

それでは正しいシャンプーの回数はどれ位かというと、もちろんそれは頭皮の状態によって異なりますが、原則としては毎日1度のシャンプーが望まれます。しかし頭皮にあまり脂のない、いわゆる乾燥肌の場合は、シャンプーによる油分の取り過ぎが原因で皮膚炎の発生をみることがあります。このような人の場合にはその肌の状態に応じて2日に1度、あるいは3日に1度の割合で行ないます。そしてシャンプー時にもつとも注意する点は、すすぎを十分することで、シャンプー剤が肌に残らないようにします。

何れにしてもご質問のように、シャンプーのために脱毛が起こることはありませんので、安心して洗ってください。

Q:小学校3年生の女子で、学校の行き帰りにヘルメットを被っています。このために髪の毛が傷むようなことはないのでしょうか?

A:ご質問のお母さんに、一応お子さんがヘルメットを被っている時間とヘルメットの重さをお聞きしました。

それによりますと、被っている時間は1日約20分くらい、ヘルメットの重さはよくわからないけれど、プラスチック製でとても軽い、そして頭に直接触れないように中に布が張ってあるし、また風通しのために小さいけれど穴が4ヵ所開けてあるというのです。ヘルメットは大きめで、被ったときもゆったりしているそうです。「続けていても髪の毛には影響ありませんから全く心配いりません。」とお答えしました。

今回の場合のように、帽子なら別にたいしたこともなく済むわけですが、このような外からの影響で毛が抜ける心配のあるものに圧迫性脱毛症があります。重いカツラを着けたり、頭の一ヵ所を長時間強く押し付けていたりすると、その部分の皮膚に異常を生じて毛が抜けてしますことがあります。これを圧迫性脱毛症と呼び、結婚衣裳のカツラとか、手術時に頭を強く固定する時などに見られることがあります。

それから、これは外力ではありませんが、汗をかきやすい時などは頭皮が不潔になり、湿疹もできやすく、そのために抜け毛が多くなることがありますから注意してください。特に帽子やヘルメットを被ると余計に汗をかくことになりますから、頭皮は常に清潔にするように心がけなければなりません。

Q:シャンプーを変えたら抜け毛が増えたような気がします。

A:健康な髪は平均して、男性で1日約100本近く、女性では1日に約60〜70本が自然に抜けています。これらの抜け毛は、髪の中に残っていることも多いので、そうした抜け毛がたまたま洗髪時に流れ落ち、その量に驚くこともあります。シャンプー前にブラッシングして髪を解きほぐし、抜け毛を取り除いておくと良いでしょう。

シャンプーを変えても抜け毛が増えるようなことはありません。これは季節や体調の変化、ストレスなどの影響で抜け毛が増えることがありますので、シャンプーを変えた時期と、何らかの原因で抜け毛が増えた時期が偶然重なったということが考えられます。ヘアダイやパーマなどが原因で髪が抜けるような場合には、数週間前に、頭皮に激しいかゆみ、カブレ、腫れなどの症状が現われるのが普通です。そのようなときは、ただちに使用を中止し、皮膚科専門医に相談してください。

Q:育毛剤を使っていて、かゆみやフケが出てきたのは、脱毛が治る前兆だといわれましたが本当でしょうか?

A:育毛剤には血行を促進して、毛根の活力を高める作用のある成分が配合してあります。例えばトウガラシチンキ、ニンニクエキス、センブリエキスといったやや刺激性のある成分や、血管拡張作用のある塩化カルプロニウムやビタミンEなどもよく使われています。もちろん、刺激があるといっても、カブレを起こしたり、湿疹ができたりするほどの量は配合しませから、安心して使うことができるのです。

しかし、人は何か変わったことが起こると、それを自分に都合のよい方に解釈したがるもので、なかなか効果のはっきりしない育毛剤も、周囲の人と違う状態が生じると、なにか効き目がでてきたように思えるのかもしれません。それが今回質問のあった、かゆみ、フケに当てはまることで、実際には効果どころかに悪い方に向かっているのです。おそらく軽い皮膚炎を起こしていると思われますから、そのまま続けるとさらに症状は進行して、かえって抜け毛を助長する羽目になりかねません。こういったときにはまず育毛剤の使用を中止し、皮膚科医の診察を受けるようにします。そのうえで育毛剤を続けて使用していいかどうかを聞くことです。

では、なぜ育毛剤でかゆみやフケがでるようになったのかを考えてみると、次の点が考えられます。@体質に合わない成分が含まれていた。A使えば使うほど効くと思って、毎回多量の育毛剤を塗布した。B育毛剤とは関係なく、ほかに原因があった。例えばシャンプー、ヘアクリームなどの化粧品の使用からか、あるいは皮膚疾患などによる湿疹か。

いずれにしても医師の診断を受けて、指示に従うことが大切で、治る前兆などというのは間違いです。

Q:近頃、酸性染料、酸化染料という言葉をよく聞きますが、その違いをおしえてください。

A:ここ1、2年話題になっているものに、酸性ヘアカラーと酸性ヘアダイがあります。どちらも酸性となっていますから、あまり違いのないもののように思えますが、実は全く違うものなのです。それはそれぞれに使用されている主成分や薬事法上の区分を見ればうなずけます。例えば酸性ヘアカラーには酸性染料が使われていますが、酸性ヘアダイには酸化染料が使われています。また、酸性ヘアカラーは化粧品に属しますが、酸性ヘアダイは医薬部外品に属しています。ここに出てきた酸性染料と酸化染料とはどのように違うのか、そこのところを知りたいというのが、この質問の主旨だと思います。

 そこでまず酸性染料について説明します。ところで染料というのはいったい何でしょうか。難しい定義は別として、一般には水に溶け、かつ物を染めることの出来る色素を染料と呼んでいます。色素の中には水に溶けるもの、溶けないもの、水に溶けて酸性のもの、アルカリ性のものなど、いろいろな種類があります。その中で水に溶けて酸性を示し、同時に物を染色する力のある色素が酸性染料なのです。この酸性染料にも多くの種類がありますが、実際に化粧品用として使えるものは、薬事法で許可された十数種類に限られています。これらをうまく組み合わせて必要な色を出し、毛を染めるわけですが、水に溶け易いため、洗髪によって少しずつ色落ちすることは免れません。このマイナス面を克服するため、出来るだけ毛髪内部まで染まるように考えられたのが酸性ヘアカラーで、毛髪に色素を浸透させるための成分が配合され、さらに染毛時にある程度加温して、よりその効果を高めるようにしています。

 それではヘアダイに配合されている酸化染料とは何でしょうか。これも染料だから水に溶けて物を染めることの出来る色素をいうはずだと思うかもしれません。しかしそうではないのです。ヘアダイに色素は使われておりません。では、色素が無くて何で毛が染まるのか、ここに問題があるわけです。実は色素は使っていませんが、色素の原料が配合されています。もちろんそれは原料ですから、そのままでは色素として役に立ちませんが、酸化剤を使ってこれを酸化すると、化学反応を起こしてたちまち色素に変化するのです。このように、酸化することによって出来る色素、それも物を染めることが出来る色素ということで酸化染料と呼ばれるわけです。そしてここで作られた色素は、始めのうちは水に溶けていて毛に染めつく能力を持っていますが、やがて時間が経つと共に毛のタンパク質と結合し、水に溶けない色素に変わっていきます。そのためにヘアダイで染まった毛の場合は水で洗っても、なかなか色落ちせず、長期間に渡って安定した状態が保たれるのです。

 以上で解っていただけたと思いますが、酸性染料というのは既にある色素だけれど、その中でも水に溶かしたときに酸性を示す色素のこと、酸化染料というのは、今まで色素でなかった物質を酸化することにより出来た色素というわけです。

 前にもいったとおり酸性ヘアカラーに使える酸性染料は、薬事法で許可されたタール色素の一部ですから、皮膚への影響は心配いりません。しかし酸化染料は従来のヘアダイと同じものですから、やはりアレルギー体質の人にはカブレる恐れがあります。