「犯人は・・・こみさん、あなたです!」
「な、なにを言い出すんだ。冗談じゃない」
「司法解剖の結果、被害者のミミズたちの死因は窒息死と判明しました。いかがです」
「いかがって・・・解剖したの? ミミズを」
「いかにも。胃の内容物から死亡推定時刻も割り出しました」
「内容物って、土じゃないの? そもそも胃があるの?」
「あなた、事業に失敗してますね。ちゃんと調べはついてるんです」
「いやいやいや、事業なんてしてないしてない」
「あなたは、生ごみ堆肥を作ろうとして、簡易コンポストに投資しましたね」
「それが事業かい!」
「しかも、入れ替え用に2個も。それこそがこの憎むべき犯罪の現場となったのです」
「そんなたいそうな」
「しらばっくれるな!」
「ななな、なんや突然」
「意気揚揚とコンポストのふたを開けたあなたはおえっとなり、生ごみ堆肥が失敗したことを知ったのです。ちょうどそのとき、サトイモを掘ると大量のミミズが出てきました。そこであなたは、事業の失敗を取り戻すため、おえっとなる生ごみを埋めてしまい、急遽ミミズ堆肥に切り替えようと考えたのです。ところが、あなたの購入した下に蛇口のついているバケツタイプのコンポストは、完全密封型でした。雑草とミミズを入れふたをすると密室の完成です。こうして閉じ込められたミミズたちは次々と尊い命を落としていったのです」
「うぬぬ、しょ、証拠はあるのか」
「さ、警部。手錠を」
「あんた、人の話聞いとんのか!」
「こみ、ミミズ大量死事件の犯人として逮捕する」
「うおー、んなあほなー、わーきゃー」
「探偵さん、ありがとうございます。これでミミズたちも浮かばれます」
「いえいえ、お礼にはおよびません」
「それではせめてお名前を・・・」
「名乗るほどの者ではございませんが、あえて言わせていただくならば、稀代の名探偵にしてパスタ好き、明智ポモドー郎とは私のことです」
「まあ、ステキ」
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