「おい、ブルよ。」 「あ、タカヤマさん。なんだワン」 「おまえ、何年前の犬キャラや。おもっきりベタやないか」 「そう、ボクのごはんはベタワン」 「それはビタワンじゃ。そんなこと言いに来たのと違うんや」 「じゃ、なんだワン」 「おまえ、こみ知っとるやろ」 「ああ、塀越しにときどき遊んでくれるワン」 「呑気なこと言うとる場合とちゃうぞ。ええか。あくせく日記のあらすじで紹介されとる登場人物で、登場してないのはわしとおまえだけなんやぞ」 「ええっ」 「驚いたかっ」 「あくせく日記ってなんだワン」 「ギャフン」 「あ、ネコっぽい」 「(独白)なんでわしがこんな奴の相方やねん。ずっと出番無しでやっと回って来たんが別コーナーで犬相手って。だいたい名前出すなって言うたのに勝手に出しといてこの扱いはどうや。わしゃ上司やぞ。百姓のことも教えたっとるんやぞ。畑日記に使わんかい」 「タカヤマさん。声が出ているワン」 「やかましー!シュプレヒコールじゃ」 「ワン!」 「こみは上司を尊敬しろ!」 「そうだワン!」 「こみは会社で人のお茶を勝手に飲むな!」 「そうだワン!」 「こみはブルにくしゃみをかけられろ!」 「ええっ、ボクがやるの?」 こうしてこみは裏の飼い犬ブルを塀越しにかまっていて顔にくしゃみをかけられた。 |