えんがわ



「おじいさん、お茶が入りましたよ」

「おお、すまんな」

「いいお天気ですねえ」

「絶好の畑日和じゃな」

「お昼ごはん、なんにしましょう」

「そうじゃな、そろそろオイル交換せにゃあな、コーウンキも」

「粉ふきいも? 食べたいんですか?」

「そう、手がベタベタになるからなあ。メンテナンスは嫌いじゃ」

「麺で冷やす? 舶来? アイススパゲッティですか?」

「なんじゃい、ばあさん。いきなり『愛する、過激に』だなんて。照れるじゃないか」

「手で食うジャマイカ料理なんか知りませんよ。芋はどうなったんですか」

「おいおい『もうどうなってもいい』とは・・・一体なにがあったんじゃ」

「なにがあったっけねえ。ああ、ヤマイモならモミガラに埋めてありますよ」

「ええっ! 病のこみをバラして埋めた? ど、どうして?」

「とろろがして欲しいんですか。味付けは味噌ですよ」

「なあんだ、こじつけの嘘かい。ビックリするじゃないか」

「え、ジャマイカのギックリ腰・・・はっ!」

「しっ!」

「・・・・・」

「・・・・・そこじゃっ!」

「・・・・・おじいさん」

「・・・うむ、逃がしたようじゃな」

「今の足運び、確かに伊賀者」

「うむ、まったくいつまでこの老いぼれをつけ狙うつもりやら」

「ホントに、しつこいこと」

「もう、何年になるかのう」

「私は数字には弱いんですよ」

「ええっ、そう呼ばれたいのかい。仕方ないなあ・・オホン・・スージーちゃん」

「お通じなら毎日ありますよ」






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