6、クリスマスについて



「うわーっはっはっは」

「ひゃはははは」

「いや〜、楽しいな〜」

「ホントですね〜。くすくす・・博士、もう一回カンパイしましょうよ」

「おお、それはいい。じゃあ、この世の全てのコロモヘンに!」

「メリークリスマス!」

「わっはっは〜」

「もうサイコー!」


「ところでちょっと訊きたいんじゃが」

「うはは、何でも訊いてくださいよう」

「カンパイのときにお前の言うとるのは、何のまじないじゃ?」

「へ?」

「ほれ、さっきも言ったじゃろう。『念入りに暮らします』って」

「念入り・・・なに言ってんですか。『メリークリスマス』ですよ」

「なんじゃい、それは」

「なんじゃいって、クリスマスですよ、知ってるでしょ」

「いや、知らん」

「知らんって・・・今日は12月24日クリスマスイブですよ。今クリスマスを祝ってるんじゃないんですか!」

「ワシは収穫を祝っとるんじゃが」

「だって、クリスマスツリーが飾ってあるじゃないですか」

「ああ、あれか? あれが今日の収穫、巨大オクラじゃ」

「巨大・・・オクラ・・・?」

「うむ、ちょっと立ててみました」

「ええ〜!じゃああのてっぺんの星は?」

「輪切りのオクラじゃ」

「あの飾りは・・・」

「オクラの種とネバネバじゃ」

「博士のかぶっているトンガリ帽子は・・・」

「赤オクラのさきっぽじゃ」

「そんなぁ・・・だいたい季節が違うじゃないですか。なんで今ごろオクラが・・・」

「今の今まで丹精こめて育てたからこそ、こんなに大きくなったんじゃないか」

「そんなの食べられないでしょう」

「そのかわりかぶれるぞ、そりゃ」

「うわーうわー、ネバネバするヌルヌルするチクチクするぅ〜」

「ふふふ、中身をよ〜くかき混ぜておいたからな」

「わわわ、スキマからたれてきたよ〜」

「切り口が丸ければ頭にぴったり収まるのじゃがな。何しろ星型じゃから頭に接するのは5ヶ所・・・そうじゃっ!」

「うう〜取れない〜脱げない〜」

「おいっ、ひらめいたぞ!」

「あっあっ、せっ背中に、ひゃあ〜」

「ヤサイヘンに『星』でオクラじゃ!」

「とっとれたっ、ふぃ〜」

「これで野菜湯飲みに一歩前進じゃ」

「あ〜あ、全身どろどろ・・・」

「おい、聞いとるか」

「一張羅だったのになあ・・・」

「・・・」

「洗って落ちるかなあ・・・」

「あ、そっそれであいつが来るんじゃな。『洗濯苦労する』あはあはあは・・・」

「・・・やっぱりクリスマスだって知ってたな・・・」

「お、おい。寄るな・・触るな・・抱きつくな! ほおずりするなー、あぎゃあー!」




ネタ提供 じっちゃん





| home |  sitemap | top  |