3、ヤサイヘンについて

『みなさん、こんばんは。“うっふん漢字ちゃう”の時間です。今日も楽しく学びましょう。講義をしていただくのは、こちら、金田一カルピコ博士です。どうぞ』
「やればできるじゃないか。これなら気分よく始められるわい。じゃあ、今日はいよいよヤサイヘンを考えるぞ」
『お願いします』
「では、ヤサイヘンという新たなものを考える前に、まず既存のヘンでメリットデメリットを考えてみよう。サンプルは宿敵サカナヘンじゃ」
『わかりました』
「まず一番に気づくのは、画数の多さじゃな。なんと部首だけで11画もある。これは、重厚な感じを与えるが、書くのが非常にめんどくさいうえに応用が利かない。つまりヘンでしか使えないのじゃ。“野菜”という漢字をそのまま部首としては使えんのもそこじゃ。部首だけで22画もあっては大変じゃ。おまけに部首の中にも部首があってブシュブシュしておる」
『確かにそうですね』
「そこで、私が考えたヤサイヘンの第一候補を発表するぞ」
『はいはい』
「うむ、それはな、カタカナの“ヤ”じゃ」
『ほほう』

「第一に簡単じゃ。だいたいニンベン、サンズイヘン、キヘンなど、重要なものほど単純なものじゃ」
『そのとおりです』
「第二に、ヤ・サ・イの中で“ヤ”だけが部首として使われていない。“サ”はクサガンムリ、“イ”はニンベンとしてすでに使用されているじゃろう」
『そういわれればそうですねえ』
「そして第三に応用が利く。ヘンだけでなく、ヤサイダレ、ヤサイガマエ、ヤサイガンムリ、ヤサイニョウなどいろんな使い方ができる。これはサカナにはできなかった芸当じゃ。
これができると非常に都合がいい。たとえば、根菜はカンムリ、実物はヘン、ツルモノはニョウ、と野菜の形状によって使い分けができるのじゃ」
『ふむふむ』

「これをやったらサカナどもはあわてるぞ。サカナだけにウオーサオーなんちゃって」
『それは重要ですね』
「いやいや、そんなに軽く流さないでほしいな。冗談言ったんだから」
『そういう可能性もありますね』
「おいおい、話がかみ合っとらんぞ」
『私もそう思います』
「なにを言っ・・・そういえば声はすれども姿が見えんな」
『いいえて妙ですね』
「ああっ! こ、これは」
『その通りです』
「録音再生機っ!」
『さすがは博士ですね』
「あの男、適当にあいづちを録音しておいて、サボりおったな」
『はっはっは、それはおもしろい』
「うぬぬぬ〜、許さんぞ〜」
『んなあほな・・』






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