「みなさん、こんにちは。いかがおすごしですか。本日より始まりました、この新コーナー、まだタイトルも決まっておりません。いったいどのようなコーナーになるのでしょうか。講義をしてくださる先生をご紹介します。金田一カルピコ博士です」

「やあ、どうも。金田一カルピコです」

「先生、よろしくおねがいします」

「よろしく。ともに楽しく学んでいきましょう」

「博士、『学んでいきましょう』はいいんですが、何を学ぶコーナーなのでしょう」

「君はすし屋に行ったことはあるかね」

「は?」

「知らんのかね。酸っぱいごはんの上に魚の切り身をのせたものが目の前を素通りしていく飲食店じゃよ」

「注文しただけ目の前においてくれる店なら行ったことありますが」

「不愉快なやつじゃな。どちらにしろ湯のみがあったじゃろ」

「ああ、魚の名前がいっぱい書いてあるやつですね」

「けしからーん!」

「ななななんですか、突然」

「魚にはあんなにたくさん漢字があるのに野菜はどうじゃ。トマト、キャベツ、レタス!このような主役級でさえカタカナ表記なのじゃ」

「そうですか?大根でも人参でも白菜でも漢字じゃないですか」

「それではいかん!魚は一文字じゃないか。『大きな根』や『人が参る』や『白い菜』は野菜名じゃない。ただのたとえじゃ。一文字で表せるのは『韮』ぐらいじゃないか」

「葱や豆や瓜もありますよ」

「君『鶏』という字を知っとるか」

「ニワトリでしょ」

「ニワの鳥とは書かんじゃないか。なのにシロネギやエダマメやキュウリを『白い葱』や『枝の豆』や『きゅな瓜』と呼べと言うのか。」

「魚に対抗意識を持ってたんじゃないんですか」

「魚ではいいたとえが見つからなかったんじゃ。」

「別にいいじゃないですか」

「いやじゃいやじゃ、そんなのいやじゃ。うわー」

「泣くほどのことじゃないでしょう」

「おっと、初回から恥ずかしい姿を見せてしまった」

「ホンマですわ」

「うわー」

「泣いてないで説明してくださいよ」

「つまりじゃな、ワシはこのコーナーですべての野菜について、それを一文字で表す漢字を作りたいのじゃ」

「なるほど」

「そしてその漢字たちを世間に広く知らしめ、ソフトを開発し、湯飲みのデザインに使われるまでに浸透させるのじゃ」

「ほうほう」

「このコーナーは、大陸より伝わり、わが国で独自の進化を遂げながらも、当用漢字の制定以来、動きのなかった漢字界に新風を巻き起こし、漢字界のみならず、野菜界にとってもニューリーダーとしての役目を担うことになるじゃろう」

「すごいすごい!」

「うむ、ひらめいた!このコーナーのタイトルが決まったぞ」

「おおっ、して、そのタイトルは?」

「『うっふん漢字ちゃう』じゃ!」

「・・・・・」

「おい、もっと盛り上がれ」

「・・・・・」

「なんとか言わんか」

「・・・・・」

「うわー」





| home | sitemap | top |