あくせく一句  第七夜

毎度どうも。立てばコンニャク座れば自爆歩く姿にハイ・キック。あくせく一句タイムです。予想外の反響に慌てふためく種田米床火がお送りします。今回は新顔続出です。


 二夜連続 恐れ入りやの 鬼子母神 (詠人 霊魔)

投稿の多さに五夜六夜とダブルアップしてしまいました。みなさんどうしてしまったのでしょう。そんなに五七五に飢えていたのでしょうか。この調子だと「畑日記」を押しのけてメインになる日も遠くはなさそうです。バナーを作ったほうがいいでしょうか。ちなみにこの俳号は「たまま」と読むそうです。どこかで耳にしたような気がするのですが、きっと「でじゃぶう」ですね。


 太いのが 好きなのあたし おいしいの
 アリたちも 生活のため 種ためる    (詠人 パピーおじさん)

前者はダイコンを詠み、後者はホウレンソウの種蒔きを詠んだ句ということです。前者は大人の句で、後者は自然の厳しさを詠んだともおっしゃってます。おそらく前者はヘベレケで後者はシラフだったものと思われます。「それは違うぞ」と苦情を寄せてもそれは掲載しません。これで確定です。個人的には前者のシリーズ化を望みます。ただし、作者の評判が悪くなっても関知しませんのでよろしく。


 ストレスを まな板相手に 千六本
 ボーナスで シーソーゲーム 一喜一憂
 宿根草 剪定終えて 冬支度       (詠人 kimkim)

「アタシにはできない」とシナを作って畳に@の字を書いていたkimkimさんですが、なにか吹っ切れたように一挙に三句です。これは想像ですが、「さあ、これで冬支度はOK。あとはボーナスを待つばかりね、うふ」しかしボーナスはなかなか支給されない。「いつまで待たせるんじゃー!」ついにkimkimはまな板を叩き割ってしまったのだった。ってな感じじゃないでしょうか。まるで三題噺ですが。え?縁起でもない?すみません、うらやましくて。ウチはボーナス、つなわたりなんです。


 アゲハチョウ ネコにも勝る 置き土産 (詠人 えつこ)

アゲハチョウの幼虫ってどうして見つけた時にはすでにあんなに大きいのでしょう。なぜこうなるまで気付かなかったのかと途方にくれてしまいます。あの重量感。親はあんなに身軽なのに。あの食欲。親はちゅちゅっと蜜を吸うだけなのに。幼い頃「チョウチョ」と呼んでいたものが、植物を育て始めた途端「極悪リンプン野郎」に変わるのは、あの土俵際に強そうな幼虫のせいなのです。それにひきかえ猫の置き土産はおとなしいものです。食わない育たない動かないの三拍子がそろってます。もう少し愛しましょう。


 オリーブの 葉を虫たちが マチコ巻き (詠人 こみ)

プランターのオリーブの葉がみんな器用にまかれています。中で越冬するのか、産卵してあるのか知りませんが、迷惑な話です。だいたい似合いません。やめなさい。


さて、今宵はこれまで。勢いづいた皆様方のおかげで句が集まっています。すぐ第八夜にとりかからなければなりません。絹を裂くような嬉しい悲鳴をあげています。それでは次回をご期待ください。

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