あくせく一句  第四夜

ごきげんいかがですか。酒はたらふくスキありゃ間食、それじゃダブつく腹のニク。あくせく一句のお時間です。驚くべきことに、投句がありました。これでわたくしも「選者」を名乗ることができます。るんるらん♪それではご紹介しましょう。


  秋の朝 のぞいて見れば 新コーナ   (詠人 普通)

記念すべき第一句です。この方、名前が普通さんで、句のデキが普通だと言っているのではありません。やっかいな名前です。さて、この冒頭部、なんと俳句らしいのでしょう。このコーナーでは滅多にお目にかかれません。しかし、こういう句の解説は難しい。全体から読み取れるのは、作者は朝っぱらからのぞいているということです。


  さつまいも モグラに食われて 全滅だ!  (詠人 くり2号)

土の中に隠れている作物は掘ってみるまで出来がわかりません。喜びいさんで収穫して被害を発見した瞬間の落胆と怒りたるや筆舌に尽くせぬものがあります。しかもモノが「イモヅル式」という言葉の由来となったサツマイモです。落胆と怒りがイモヅル式に出てくるのです。その上、悔しさに拳を握り締めると、手はアクでニチャニチャするのです。


  白菜に なめくじ憑いて ぬらりひょん
  なめくじの 正体見たり ぬらりひょん   (詠人 TAMAMA)

なめくじ=ぬらりひょん、ていう気持ちはよくわかります。でも白菜に、和服姿のにこやかな老人が銀色の跡をつけて這っているのもイヤです。この理屈でいくと、ミノムシはぶらりひょんで肩はこりひょんでサロンパスはじんわりひょんでがんばり入道はがんばりひょんですね。入道はひょんにする必要ありませんでした。それにしても「ひょん」って何でしょう。ねえ、日本初のぬらりひょナーのTAMAMAさん。

以上のお三方、優勝です。優勝されたみなさんには、あくせく園より記念のテレパシーをお送りいたします。どしどしご応募ください。では、ごきげんよう。

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