あくせく一句  第二夜

こんばんは。はたして今は夜なんでしょうか。種田米床火です。今宵も五七五の世界を堪能いたしましょう。では、最初の句からご覧いただきましょう。


  オレみたい よくも太った ヨトウムシ

肉付きのよいヨトウムシを発見した時は本当に腹が立ちます。「おのれ、何を食ってそんなに肥えたんじゃー」と叫びたくなります。自分と同じ畑の野菜を食べているんですね。で、何で野菜を食べていて太るかというと、酒を飲むからです。この句からは二通りの意図が読み取れます。精魂込めて作った野菜をヨトウムシに食い荒らされた怒りと、たまには肉が食いたいという願望です。よほど肉から遠ざかっているのでしょう。それなのに、太っているのです。


  耕した 次の朝には ネコのフン

例えば、害虫、雑草。彼らはいくら迷惑でも畑の住人です。害虫は野菜を食べに来るのです。良心的に考えれば「オレの作った野菜はおいしいのだなあ」と思えます。雑草は植物です。野菜と同じ所に生えるのは当然です。善意に解釈すれば「畑の土がいいのだなあ」とうなづけます。ところが、ネコはヨソモノです。ケモノです。ただフンをするためだけに畑に来るのです。食べ物を作るところにフン。ネコに常識は通用しないのです。


  晴れだ休みだ 畑に出るぞ パーマン二号も 遅れるな

振り返ってもパーマン二号はいません。「そうだよな」と寂し気な笑みを浮かべてひとり黙々と働くしかないのです。こんなとき、近所の子供が目にとまると「アキラ、おいで。おもしろい帽子をあげるよ」などと夢想にはしります。
それよりも、これはドドイツです。第二夜にしてドドイツが出てくるようなことで、このコーナーは大丈夫なのでしょうか。何が「五七五を堪能」なのでしょうか。万が一、更新されるような可能性が残されていたとしたら、またその時にお会いしましょう。

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