あくせく一句  第十夜

ごきげんいかがですか。日本全国真冬は過酷、牛乳沸かせば薄い膜。ついに二桁突入、あくせく一句ですよ。投句ありがとうございます。いっぱいためてしまいました。


 つかのまの 雪に季節を 肌で知る (詠人 kimkim)
 畑より 山に降れよと 天仰ぎ (詠人 芽香出高)
 しんしんと 雪の降る夜は あくせく一句 (詠人 霊魔)

雪は住み慣れた町の景色を一変させてしまいます。珍しく降った雪に風情を感じる人、農作物やスキーの予定を心配する人、静寂の中で五七五の真髄を極めようと勉学にいそしむ人。まさに悲喜こもごも。


 雪だより 降らぬ空にも 掲示板 (詠人 霊魔)

降っとらんのかい!


 夜更けすぎ 雨があがって 春一番 (詠人 霊魔)

もう春かい!


 暇なとき 夢みた仕事に 追われ泣く (詠人 水道やさん)

そうそう、このコーナーもね、初めのうちは三句ほど詠んで自分で解説付けてたんですよ。いつか投句してもらえることを夢見ながら。それが今ではたくさんの投句におわれるようになりました。ありがたいことです。おかげで今では俳号を見ただけでその方の職業がわかるまでになりました。あなたの職業もわかりますよ。手に取るように。


 青空で てるおはるおで ローゲロゲ (詠人 不死鳥ロックンローラー)

ロックンローラーなのに俳句。しかもお笑いネタ。おまけに球児好児とまちがってます。困ったことに我が家で流行ってしまいました。「おーいお茶」「ローゲロゲ」「パソコン交代して」「ローゲロゲ」「あの・・・」「ローゲロゲ」と大変活用されてます。


 春霞 隣の畑に チョウが舞い
 整然と 隣の畑の 夏野菜
 秋深し 隣の畑は 大収穫
 大寒の 隣の畑は 春支度
 コガネムシ 隣の畑で 暮らしなさい 
(詠人 キュウパパ)

ついに来ました。メールでの投句です。ヨネスケの「隣の晩ごはん」に対抗して「隣の畑」シリーズです。ヨネスケと違う点はこっそり見ていることですね。春にはエンドウの隙間から、夏はキュウリのネット裏から、秋はサトイモの葉の下に身を隠し、冬はタマネギのマルチにひそんで、指をくわえて隣の畑の様子を伺っている姿が目に浮かぶようです。古来より「隣の芝生は青い」と言われておりますが、きっと隣の畑の主はキュウパパさんのことを「まだまだ青いな」と思っていることでしょう。


 ダンナさん 動かざる事 邪魔の如し (詠人 マメダ丸)

マメダ丸さんはやさしいですね。「〜の如し」とは「〜のようだ」ということです。はっきり「アータ、邪魔よっ!」と言わず「うちのダンナさんは邪魔のようだ」とまるで他人ごとです。ぶるるっ。突然そちらのほうが怖いような気がしてきました。あとに「消せ」と続くんじゃないでしょうか。インコにヒマワリの種を与えながら、かたわらに控える側近に「消せ」と一言。ひいぃ〜。マメダ丸さん、あなた目的は何なの。


さて、ブラウン管は砂の嵐。森じゃトトロがオカリナぽー。えっ、もう終わりなの、アタシのあの句はどうなったの。すみません、ギブアップです。次回に繰り越しということでご勘弁を。あっ、怒らないで、責めないで。アタシは弱い人間なの。

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