あくせく一句  第一夜

「あくせく一句」の時間がやってまいりました。お相手はいつものようにわたくし種田米床火でお送りします。では、さっそく最初の句を見てまいりましょう。


  今日は雨 明日は晴れで 出勤だ

陰陽を巧みに取り入れた句ですね。“今日は雨”は陰。暗いですね。湿ってますね。これを打ち消すように“明日は晴れで”と続きます。“明日” “晴れ”ともに陽ですね。未来、希望、若人(わこうど)、若売(わこうる)など胸の高鳴る一節です。そして“出勤だ”陰というよりは地獄ですね。明るさを微塵も感じさせません。何かいいことがあるのでしょうか。あったら教えてもらいたいものです。日曜が雨で、月曜に晴れたりすると会社なんか行ってられません。どうせ行くなら火をつけに行きたいぐらいです。


  サトイモに 手を汚されて ぬらりひょん

ゆでたサトイモを手で食べていると手にぬらぬらがつきます。同時にぬらりひょんが取り憑いているのです。その証拠に、その手で妻に触れようとすると「ひゃー」と叫んで逃げます。霊気を感じるのでしょう。それにしてもぬらりひょん。素晴らしいネーミングです。まさか「ボク、ぬらりひょんで〜す」と本人が名乗ったとは思えません。ぬらりひょんと命名した人のセンスに脱帽です。ちなみにぬらりひょんはカタカナではだめです。


  このウネの カーブのとこが 難しい

確かにこれは難しい。わたくしも最近になってやっと自然なカーブができるようになりました。以前わたくしは、蚊取り線香のような渦巻き状のウネなら一本ですむ、と思いましたが、一本にする意味がないという事実に気がついてやめました。連作障害のこともあるし、中心にたどり着くのに時間がかかりますからね。
時間のことを話していたらこちらもお時間のようです。皆様からのご投句をお待ちしております。それではごきげんよう。


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