野菜つくりは音楽に似ている。
たとえば、音楽にリズムがあるように肥料をやるにもタイミングがあり、楽器を選ぶと同じくその種類を決めなければならない。チューニングが合えば、その作物の音はどこまでも伸び、相性の悪い野菜同士は不協和音を奏でる。幾種類もの野菜がうまく育っている畑は、まさにオーケストラと呼べるだろう。
しかし、そのふたつの芸術には大きな違いがある。
音楽家は「ミュージシャン」と呼ばれる。野菜を作っている人はなんと呼ばれるか。一番近いのは「ファーマー」だろうか。別にそれはかまわない。問題はそのあとだ。
ミュージシャンは細分化されていて、ピアノを弾く人はピアニスト、ドラムをたたく人はドラマーと呼ばれる。では、ファーマーはどうか。ジャガイモを専門で作っている人をポテティストというか。ホウレンソウ農家をホウレンサーと呼ぶか。否!
そこで私は提言する。野菜作リストにカッコいい名前を!
ピアニスト、バイオリニスト、ギタリストにならい、キュウリスト、レタシスト、ブロッコリストなどは当然だろう。
ドラマー、ファーマーという言い方も多い。ニラはニラー、カブはカバー、ナスはナサーってところだろうか。待てよ、ボクサーのことはボクシンガーとは呼ばない。それならメキャベツはメキャーでいいんじゃないか。するとキャベツは「キャー」か。キャーキャー言われてうれしいかも。
ミュージシャンのほかにもエステティシャン、テクニシャンとかっこよく使われる○○シャン。これを使わない手はない。油が切れたような「シュンギシャン」割れ物みたいな「アスパラガシャン」大空を思わせる「ラッカシャン」
そういえば、鉄砲を撃つ人はガンマン、警察官はポリスマンだった。ピーマンマン、レンコンマン、サンズンニンジンマン、「ン」が多くてかっこいい。
野菜が好きなベジタリアン、シャーロック・ホームズが好きなシャーロッキアンと呼ばれる人たちもいた。これらは特に精神的結びつきが強そうだ。カボチャアン、トウモロコシアン、オクラアンなどはいかにも甘そうだ。モロヘイヤアン、なんだか非常にそそられる。
酒に酔った人がヨッパライ。それならネギを作ればネギライ、ウリを作ればウリハライか。
他にもパプリ家、ラディッ者、トウガラ師など野菜作りは・・・
あれあれ、なんだか話題が変わってきてしまった。
どうやら私はリュートーダビャー・・・ダメだコリャー。
|