畑 日 記

           「ダイエット」                                 2000/12/14

私のへそは深い。たとえるならば、井戸の周りに盛り土をしたようなものだ。ウエストにトップとアンダーがある。おそらく「ハラガデテイル」ということになるだろう。

21世紀も目前。世間では総括しまくりだ。そこであくせく園の一年を私のへその深さの推移とともに降り返ってみようと思う。単位は「ヘソゴマ」で表すこととする。

冬場はダイコン、ホウレンソウで切り抜けた。ズンドウ鍋いっぱいのダイコンを何日もかけて食べた。とてもヘルシーなはずなのだが、熱燗のせいだろうか、およそ45ヘソゴマの体型を維持していた。

雪解けから春にかけてはキャベツばかりをかじってた。ピカソの「青の時代」にならって「青虫の時代」とよばれている。トウが立ち始め、焦って収穫したキャベツで大量に作ったケチャップ煮がまずくてゲッソリした覚えがあるが、体型はゲッソリしなかった。

コカブ、コマツナ、チンゲンサイなどでつないだあと、タマネギ・ジャガイモ期が訪れる。カレー、肉ジャガなど肉を食べさせてもらえる時期だったが、日が長くなり毎日帰宅後畑でひと汗かいていたためへそが深くなることはなかった。

動いたのはキュウリ・トマト期だ。トマトの出来の悪さを補って余りあるキュウリの氾濫。汗まみれの人力農作業。一ヶ月で38ヘソゴマの体になり、その体験から畑日記第1話「キュウリ」の巻が誕生した。

キュウリが終わると41ヘソゴマまでリバウンド。これはこの時期にメインだったナスやピーマンが油と相性がよく、同時にエダマメが最大の敵であるビールを誘引するためであると考えられる。更に追い討ちとなる一大転機がやってきた。コーウンキの購入だ。作業が楽になり、発汗量が減れば行く末が目に浮かぶ。

ところがそれは杞憂だった。小さなコーウンキでも操るには結構骨が折れる。しかも楽しいものだから同じところや必要のないところまで行ったり来たり。もちろんコーウンすればその前後にも仕事ができる。汗を流して再び38ヘソゴマのハラを取り戻した。

サトイモ期になると日暮れはかなり早くなっている。畑仕事も週一回休日のみになり、運動量は格段に減った。それ以来、40ヘソゴマで停滞している。ハクサイをしくじり、ダイコン期に入った今でも変わらない。トータルで考えるとこの一年で5ヘソゴマ減量ができたことになる。節食やスポーツをしなかったのだから十分な成果だろう。

ただひとつ贅沢を言うなら、身長があと14ミミアカ高かったらなあ。

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