特別展のご案内


平成29年度 前期特別企画展


テーマ 「伊勢春慶」(いせしゅんけい)


「伊勢春慶」それはかつて、伊勢を中心として大量に作られた漆器である。昭和20年代までの我々の生活の中で運動会の弁当、祝の赤飯などを近所に配るのに使った入れ物として日々の暮らしの中で使われた重宝な雑器だった。


春慶塗は天然の木目の美しさをそのまま生かした透明塗の一種で、和泉(いずみ)国堺の漆工春慶が創始した技法であることからその名がついたといわれている。


昭和4年発行の「宇治山田市史」ではその始まりは室町時代であるとし、神宮の工匠が御造営の余材をもって内職として始めたとしている。参宮客が増加する江戸時代になると伊勢土産として漆器が特産品としてあげられている。また明治期には全国的にも有名な漆器として紹介され、その後も盛んに製造されていた。


しかし、昭和から戦後にかけては需要が激減し昭和30年代になると軽くて便利なプラスチック容器が普及したため長く続いた伝統産業は終止符を打つことに成った。


製造されなくなって40年近くなった平成16年地元の有志が「伊勢春慶の会」と称して保存会を立ち上げ、伊勢河崎商人館を中心に伝統技術の伝承と新しい活用の道を求め活動し今に至っている。


今回の企画展は伊勢春慶の製造工程を写真やパネルなどで紹介することで漆器のもつ奥深さを感じて戴き、シンプルな中にも温もりのある生活雑貨として新鮮な魅力をもつ漆器の美しさを旅館などで使用していた膳や入れ子などで紹介したい。


開催場所:伊勢古市参宮街道資料館
開催期間:平成29年7月11日(火)~8月6日(日)
開催時間:9:00~16:30
  月曜日休館日(祝日のときは、その翌日)
  休日の翌日(ただしその日が日曜日は除く)
主な展示物:調度品・写真パネルなど

伊勢春慶の歴史。製作工程:「漆の木・漆原材料・檜板・白木の木箱・弁柄による着色目止め下ぬり・ 中塗り・春慶漆塗(完成)」各工程の品々と写真パネル、説明パネルなど総合的な展示でご紹介します。


   開催にあたって


 はじめに、今回の29年度前期企画展「伊勢春慶」によせて角仙合同(株)社長の村田典子氏をはじめ 伊勢文化舎の中村賢一氏、伊勢春慶の会の神戸和幸氏ほか関係者の皆様方の全面的なご支援、 ご協賛を得て開催することが出来ました。ここに深く感謝し御礼申し上げます。

伊勢古市参宮街道資料館長 世古富保 



   その1 「概要」


   その2 「特色と定義」


   その3 「歴史」


   その4 「業者数の推移と販路」


   その5 「作業工程」


   その6 「製品の種類」


   その7 「製造業者」



引用文献 伊勢市史 第八巻 民俗遍
参考文献 伊勢人   伊勢文化舎