あくせく一句  第二十夜 オータムポエム



博多はどんたく脳みそパニック、絢爛模様のアラベスク。あくせく一句でございます。今、まさに秋真っ盛りですね。いいえ、間違いありません。今は秋です。ついこの間まで夏でした。いかにも句作に向いた季節です。では、ワタクシ種田米床火といっしょに充分寝かせた名句の数々、拝見していきましょう。




  ウラ畑 なじぇか尿意を もよおした  (詠人 山の上のオクラ)



そう、ちょっと涼しくなると、近くなるんですよね。ましてや吹きっさらしの畑だなんて。でもオモテじゃなくてよかったです。最中に、犬の散歩や若い二人のデートや野球部のランニングや参勤交代の大名行列や某ひろみのゲリラライブをやられたら、ご近所ではちょっと有名な人になってしまいます。そうなったら、もう人生の裏通りを歩んでいくしかありませんよね。あっ、だからウラ畑なのか。つまり、経験済み?




  はばかりも 有機の一環 溜め伍郎  (詠人 Thyme)



溜め伍郎の「伍」がなんだかリアルですね。普通なら「溜五郎」いやむしろ「タメゴロー」と書くんじゃないでしょうか。ひょっとして身近にそういう人がいるんですか。ああっ、もしや!「溜め→ちめ(Time)→Thyme」と進化したのでは? そうか、ハーブっぽいHNだと思ったけど、正体はニューハーブなんですね。「アタシ? たいむって呼んでね」と微笑む、髭剃り跡を青光りさせたカノジョが見えます。




  気澄んで ハラ肥ゆる 秋  (詠人 樹下@草木子)



また、気がすむまで食べてしまったんですね。いえ、いいんですよ。しかし不思議なものですよねえ。ハラが減るとハラが立ち、ハラいの時にはハラハラし、肥えたハラはハラに据えかね、ハラをくくったダイエットにはハラん万丈の結末が待ってます。そうそう、字数が足りないと思ってたけど、本当はこうだったんですね。「気ィ澄んで ハラ(うぷ)肥ゆる 秋(げっぷ)」ここまで深読みするとすごくいやな句です・・・




  この夏も 痩せずに終わり 秋は来ぬ  (詠人 霊魔)



夏も秋も冬も春も朝も昼も夜も平日も祭日も盆暮れ正月もゴールデンウィークも右も左もモモもスモモも痩せずに終わるようです。痩せた話は聞いたことありません。これって人類の総重量が増えたってことですよね。これに貢献している人をたくさん知っています。そして秋。食欲の秋、読書しながらつまみ食いする秋、スポーツを見ながら一杯飲む秋。人類の総重量はとどまることを知らないようです。




  まん丸の 月見てちぃちゃん 思い出し  (詠人 読み人知らず♪)



まん丸なのは、やはりハラでしょうか。で、ちぃちゃんってどなたのことでしょうね。私にはさっぱりわかりません。




  満月よ 遠吠え前に お腹がグゥ〜  (詠人 こうちゃん)



満月・・・ですか。遠吠えするんですね。で、お腹をすかせていると・・・。
あの〜、この句を詠んだのはこうちゃんですが、詠まれたのはやっぱりちぃちゃんなのでしょうか。いや、どなたのことかは知りませんよ。




  あけがたに わが分身の 身の軽さ ハラの肉にて なお見にくけり
                           (詠人 ちる)




この句を読んで、このような光景が見えてきました・・・・・眠っているちるさん。寝返りをうって横を向くと、ハラの肉が引力の影響でだらり。不定形であったそれはやがて脈打ち、蠕動し、何か形作り始める。空が白む頃、それは成長を完成させ、ぷちっと本体から離れるとケラケラ笑いながら走り去っていく。これがちる一族の分裂増殖なのだ。さらに不思議なのは、人一人分減ったはずなのにまだハラが出ていることだ。恐るべし、ちる一族・・・・・と、この句の解釈はこうなりましたが、何か間違ってました?



さて、ぐずぐずしているうちに年末になってしまいました。というわけで、一年をおごそかに締めくくる「除夜の鐘一句」はこれだ!




  来る年は エロはするまい 語るまい 思っただけで 涙あふるる 
                         (詠人 とらきちまま)




さて、さらにだらだらしているうちに年が明けてしまいました。というわけで、一年の始まりをきらびやかに飾る「初日の出一句」はこれだ! 




  エロ云わぬ 三日は守った 我偉人 明日から爆発 お楽しみにね  
                         (詠人 とらきちまま)




次回の「あくせく一句」もお楽しみにね。






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